大会総括〜よもやの敗戦から学ぶこと 2004/7/15

 7月15日午前10時前、今夏の学院の開幕ゲームが始まりました。試合開始段階 ですでに気温は30度を優に超えていたように思います。相手は2年生エースを擁する 明星。レベル的にも似通った同士で、戦前から厳しい戦いになることは予想されてい ました。そして結果はその通り、6-7の惜敗。平成6年夏以来、10年ぶりの初戦敗退を喫 してしまいました。

 詳しい試合経過は省きますが、振り返ってなぜ負けたのか、偏に相手エースの出来、 特にアウトコースへのストレート、スライダーともに制球が良かったことに尽きます。 中盤以降暑さもあって疲れが見え出し、球威も切れも落ちてはきましたが、ここぞという ときの勝負強さは見習う面が多々ありました。2年生だけに、今秋、来夏とひょっとしたら 再び対戦するかもしれません。次はぜひとも借りを返したいところです。

 一方、学院打線ですが、8回の猛攻は圧巻でした。6、7番の連打に、8番松山の レフトスタンドに飛び込むホームラン、その後も9番がレフトオーバーと続き、上位 打線にも火が付いて一挙に5点。試合を振り出しに戻したときは、この勝負もらったと 誰もが思ったことでしょう。ただ、同点になってなお相手のバッテリーエラーもあって 巡ってきた二死3塁の場面であと一本が出なかった、たらればは禁物とはいえ、 こういうところで一気呵成にいけないところが今年のチームの限界だったのかもしれません。

 もっと言うなれば、甲子園を目指す上で必ずや対戦する好投手をどうやって攻略 するのか、特に今回の明星の投手に限ればツーストライクまでほとんど外角主体だっ ただけに、早い回からセカンドの頭、右中間に向かって踏み込んで打つ工夫、姿勢が 欲しかったです。相手のエースの得意球を叩く、これはハイレベルな戦いになればな るほど定石であり、その実践こそが確実に勝利を呼び込む最大の戦法です。相手も同じ 高校生、自信あるボールを狙い打たれれば動揺し、その後の配球にも迷いが生じる のですから、そこにつけこむしたたかさを身につけられるか、学院野球部はまだまだ 課題を抱えています。

 最後に、先発した平本、4回からロングリリーフした寺田、この両3年生投手は、 本当によくぞここまで成長したと思います。昨秋の大会で、四死球の連鎖地獄に陥り自滅し たところから始まり、一冬越して立派にマウンドを任せられるまでになりました。 もっとも今日の平本は本調子ではなかったでしょうが、春の東海大菅生戦を始め数々の 修羅場を経験して得た自信は、ネット裏から見ていても明らかに分かりました。 願わくばもう何回か投げる試合を見たかったですが、彼らの姿を目の当たりにしてきた 後輩がきっと今日の無念を晴らしてくれることでしょう。

 3年生は、本当にお疲れ様でした。野球を通して培った精神や肉体は必ずや今後の 人生において大きな糧となるはずです。OB会もあなたがたを温かく迎え入れますの で、堂々と飛び込んできてください。そして、今年もスタンドに足を運んでいただいた OBの皆様、あるいは実況メールで一喜一憂された皆様、並びに関係者の皆様、心からの ご声援本当にありがとうございました。熱い夏は終わってしまいましたが、秋を見据 えた新チームの活動は直に始まります。これからもどうか温かくも厳しい目で学院野球部 を見守ってください。


2004.7.15
(文責:広崎正隆 S63卒)