「秋季大会総括」〜よもやの大敗で見えた学院の課題〜 2004/9/21

 3連休の最終日20日、前日と同じく日大二高グランドで行われた法政一高との 試合は、1-8もの大差で敗戦を喫しました。

試合最初の挨拶  ただ試合を見ている限り、点差ほどの実力差は感じないというのが正直なとこ ろです。秋の大会という事もあり1、2年生で構成されるチームでは、相手高と比 べても体格の差はほとんどありません。そうした中この試合を振り返りますと、 勝敗を分けたのは本当に細かい部分でのプレーの差の積み重ねだったと言えます。

 詳細は省きますが、ホンの小さなミスが結果的に敗戦につながる傷口を広げて しまいました。具体的に挙げれば、序盤で2度も先頭打者に与えたフォアボール、 2アウトまで抑えてからのワイルドピッチによる失点や2アウトからの内野手のフ ィルダースチョイス、さらにしっかり捕球・送球していればその先の進塁を許さ ないはずの外野の守備・・・など、試合の要所で相手チームに流れを持って行かれ てしまう結果となりました。

 個人的経験も踏まえて申しますと、「流れ」が重要な鍵を握る高校野球におい ては、牽制なども交えた投手の間の取り方(相手打者との駆け引き)、打者のバ ッターボックスへの入り方、要所でミスをしない集中したプレー、相手チームに 流れを持って行かれかけた時の自陣ベンチの雰囲気の作り方・・・などの野球のテ クニックが重要です。単に一生懸命プレーするのは簡単なことで、いかに効果的 に心理的優位に立つか。これは自信と経験に裏打ちされるものでもありますが、 そのレベルに早く到達して欲しいと思います。

 今回ベンチ入りの選手は1、2年生が半々という若いチームである事は承知です が、条件はどの学校も当然同じであり、試合に出ている選手は経験不足云々を理 由にする事は出来ません。今後多くの練習・試合の経験を積み、春の大会に向け て更に質の高い野球を目指し、一層の奮起を期待したいところです。

 さて、ここまでは敢えて苦言とさせて頂きましたが、個々を見ていきますとそ の能力は間違いなくレベルが高いモノでした。

 守備でいえば、投手陣はまだまだ荒削りではありますが、今回登板した4人は それぞれ少しずつタイプが違い、各々の良さを伸ばしていけば非常に期待できま す。内野陣も1年生ながら二遊間コンビを組む見村君、門多君を軸に再三に渡る 堅守を見せていました。今大会は控えやベンチに入れなかった選手達がこれから 冬のトレーニングなどをこなして逞しくなりますます選手層が厚くなれば、楽し みはもっともっと膨らみます。

 打撃についても、この大会切り込み隊長を任された佐藤翔君、クリーンアップ の一角新納君などを筆頭に振りの鋭い選手が多く、個々には高い技術を持ってい ます。1年生で主砲の来島君は残念ながら今回調子が今ひとつでしたが、打席での 風格は大器を思わせる逸材です。ただ、先ほども触れたようにその能力を最大限 発揮できるように、自らが如何にバッターボックスの中で自分自身の精神状態を 高められるか。相手投手との戦いは初球が来る前から始まっており、チャンスで の一本を生むためにもこうした目に見えない心の準備こそが大事なポイントと言 えます。

松本監督を中心に円陣を組む選手たち  松本監督は試合後こう語りました。「非常に悔しい。ちぐはぐな展開で流れを 引き寄せられなかった。やはり公式戦だからか・・・。選手達はもちろんそうだが 僕としても色々と勉強させられました」と。しかしその目にはもう先を見据えた、 次なる計画が浮かんでいるようでした。

 最後になりますが、選手達は今回の敗戦をもって自分たちのレベルを改めて確 認できたのではないでしょうか。今後の練習も他校と同じようにしていたのでは 差は縮まりません。「努力」+「工夫」でライバルに追いつき、追い越して最後 には栄冠を手にして欲しいと願ってやみません。

 ということで、OBの皆さま、2004〜2005年にかけての学院野球部の一歩は既に 踏み出されました。どのような形でも結構ですので「選手に届く」、熱いご声援 と厚いご支援を宜しくお願い致します。


2004.9.21
(文責:水藻光 H6卒)





OBになりたて3年生 (Web担当のひとこと)
 グランドにはOBになったばかりの3年生をはじめ、多くのOBおよび父兄の方々 が応援に駆けつけていました。この熱意が選手を成長させ、体力だけでなく、 精神力も成長させていくのではないでしょうか。これからも、皆様の力を合わ せて選手を応援していきましょう。