2005夏 4回戦観戦記 2005/07/19




 さあ、いよいよベスト16をかけた戦いです。相手は都四商に勝って きた都田無工業。前の試合でシード校の桐朋が敗れる波乱があり、改 めて野球の怖さを思い知らされての試合となりました。

 試合前のシートノックでは学院の仕上がりの良さを確認出来ました。 特に内野陣は1試合ごとに鉄壁さが向上している感じで、ディフェンス 面から崩れる心配はまずいりません。実際試合が始まってからも安定 した守備を繰り広げ、この試合も投手陣の大きな支えとなっておりま した。若干捕手のスローイングミスなどもありましたが、それでも大 量失点することはなく、最終的に6-3と接戦にはなりましたが、終始安 心して見ていられたのも防御がしっかりしていたことに尽きます。

 3試合目にして初めてマウンドにあがった学院のエース佐藤(祥)投手、 おそらくは投げたくて投げたくてうずうずしていたに違いありません。 その証拠に、初回こそ不運なプレーもあって2点を失いましたが、その 後はきっちりとエースにふさわしく、落ち着いた投球をしてくれました。 立川球場はどうも下が堅いようで、マウンド上で左足が引っかかるシー ンも何度か見られましたが、春の大会では背番号10だった佐藤投手の成 長ぶりには正直驚きです。まず、球威が増しました。もともと制球力に は定評がありあとはスピードと言われていただけに、課題もかなり克服 しています。春以降、多くの練習試合や投げ込みをこなしてきた結果で しょう。最終回は注目の1年生新井投手に託したものの、実質的に(記録 を未確認のため)自責点0は立派なものです。新井投手も2試合目という こともありますますマウンド度胸が見られ、この先非常に楽しみです。

 一方、攻撃陣は過去2戦に比べると物足りなさが残りました。これま で「好球必打」を通してきたのに、なぜか各打者甘いカーブを逃すなど 積極性が感じられなかった上に、ゴロを打つ基本を忘れ簡単に打ち上げ る場面が目立ちました。初回は、四球と相手バント処理ミスでもらった 絶好のチャンスに、3番4番が沈黙。本来ならば立ち上がりに苦しんでい るところを一気に畳みかけ、試合を学院ペースに持っていく願ってもな いシーンでしたが、5番の来島選手がライト前ヒット、6番前田選手の当 たりをショートがエラーして2点先制したものの、いつもの好調な学院 打線には遠く及ばない内容でした。その結果最後まで苦しい展開が続き、 余計な負担を佐藤投手に与えてしまったと言えます。今回の試合は風が 味方し幸運なヒットが出たり、相手の拙攻にも助けられて勝つことが出 来ましたが、やはり甲子園に行くためにはこれからどんどん好投手と当 たるわけですから、もう一度原点に立ち戻って、甘い球は1回の打席で1 球あるかないかと思い積極的に打っていく姿勢を見せて欲しいものです。

 とはいえ、3年ぶりのベスト16です。選手達はよく戦っています。この 都田無工業戦には、休日ということもあって大勢のOBに駆けつけていた だきました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。うだるような暑 さで応援も大変でしたが、でも直接ご覧になっていただいた方にはきっ と今年のチームのまとまりの良さ、安定感というのを実感してもらえた と思います。次は冒頭にも書きました通り、シード校を破った都日野台 が相手です。投手力もあり、相手もなかなかまとまったチームという印 象を受けましたが、学院も全く引けは取りません。間違いなく好ゲーム が期待されます。そして、勝てばベスト8です。そうなれば舞台を神宮 (まだ第二ですが)に移すことになります。皮算用と言われることを承知 で今年のチームは確実にそこまで見据えることが出来るほど充実してお ります。もしまだ見ていないという方いらっしゃいましたら、出来るだけ 早く観戦されることをお勧めします!次は21日12時半、同じく立川球場 です。


2005.07.19
(文責:広崎正隆 S63卒)