2005夏 5回戦観戦記&大会総括 2005/07/25




 学院野球部OBの皆様、関係者の皆様、屈辱の敗戦から気持ちの 切り替えは出来ましたか?何を隠そう私自身は全く出来ておりま せん。その結果、本来ならばすぐに掲載しなければならないこの 観戦記並びに大会総括がここまで遅くなってしまいましたこと、 冒頭お詫び申し上げます。

熱投する佐藤(祥)投手  その都日野台戦、今更詳細は省かせてもらいます。ただ今大会 4試合目にして初めて初回の相手攻撃を零封し、前試合に続いて 先発した佐藤祥投手の気合いを感じました。絶対に負けないんだ、 彼の気迫ある投球はチームに好リズムをもたらしその裏の先制点 につながったと言えます。実際5回表に初ヒットを打たれるまで 全く相手打者に付け入る隙を与えませんでした。4回戦の都田無 工業戦の反省を生かし、軸に据えた変化球を低めに集めコーナー もきっちりと投げ分けるピッチングは、ネット裏で見ていても安 心そのもの、俺が早稲田のエースなんだという自覚、風格が漲り、 その成長ぶりには感動を覚えたほどです。

 逆転を許した6回は、打ち取った感のある飛球が不運にも長打と なるなど可哀想な面もありましたが、本当によく投げたのではな いでしょうか。カーブの多投で後半握力が弱くなり球威が落ちた ところを最終的に相手打線に捕らえられたわけですが、最後の夏 に見せた最高の内容は十分に誇りに持っていいはずです。2年生、 1年生の後輩投手陣も間違いなく先輩が残してくれた精神、集中力、 そして勝ちにこだわった気合いの投球を受け継いでくれることで しょう。試合終了後、佐藤祥投手はこの悔しさを胸に大学で野球 を続ける考えを話してくれましたが、いずれ甲子園に代わる神宮 の舞台でも活躍してくれるものと信じております。

OBを含めの熱い応援  一方、打線に関しては課題の積極性を発揮できずに正直消化不 良のままでした。前の試合と同様、1打席に最低1球は肩口から来 る甘い変化球を誰一人打とうとはせず、逆にアウトコースにうま く逃げる球に手を出す、さらには簡単に打ち上げてしまうなど、 各打者力は備えながらも基本的な打法が身に付いてなかったと言 えます。好投し続けた佐藤祥投手を援護出来なかったことは、見 ていても歯がゆさが募るばかりでした。2度の本塁憤死で流れが相 手に行ってしまったという見方も当然ありますが、相手外野陣の 好返球にたまたま阻まれたのであって、攻めた結果として見れば 決して責められません。それよりも、またチャンスを作れば良か ったのです。

 本当に地力あるチームになるには、「好球必打」を普段から心 がけることです。負けたら終わりの公式戦の緊張感はとてつもな いものではありますが、たとえ初球であれ甘い球はどんどん打ち に行く、結果的に3球で終わったとしても相手投手に与える心理的 プレッシャーは図りしれません。それが学院野球部にはどうして も浸透しない、何となくツーストライクまではよほどのことがな い限り手出ししない、こんな風潮があるように見受けられます。 野球のセオリーでは、四球のあとの初球打ちや、こちらに明らか に流れがある局面での一気呵成の畳みかけた攻撃など、「待ち」 に徹する姿勢は相手投手が余りにも良すぎた場合などを除いては 必要ありません。強豪校と呼ばれるチームは、取られたら取り返 す、チャンスを逸してもまた作る、こういったことを当たり前の ようにやり続けて、最終的には相手をねじ伏せていくのです。初 戦、3回戦は出来ていたこうした流れを自ら封印した結果の敗戦 だったことは、素直に反省し、秋以降も課題に置かねばなりません。

 ただ、幸いにして主力の2年生が残り、秋に向けてはかなり高い レベルからのスタートとなります。内野陣に至っては、このまま成 長してくれれば来年の夏にはどれほどの選手になっていることで しょう。期待はこれからも全く尽きません。

 昨日、早実が都日野台に7回コールド勝ちで学院の敵討ちを果た してくれ、見事ベスト4進出を決めました。本来ならば早稲田対決 が実現することを両校OBは願ったと思いますが、その夢はまた次回 に取っておくことにしましょう。いずれにしましても、今大会も平 日、休日問わず社会人や学生の大勢のOB、並びに関係者の皆様に球 場へ足を運んでもらい、熱い応援を送って頂いたことが選手にどれ だけ響いたことか、支えになったことか、感謝の言葉で一杯です。 本当に本当にありがとうございました。またしてもベスト8の壁は 厚かったわけですが、必ずや次の代はそんなジンクスを突き破り、 我々を甲子園へと導いてくれるはずです。秋はもうすぐそこです。 どうか皆様、引き続き学院野球部へのご支援を賜りますよう、改め てお願い申し上げます。 健闘した学院野球部


2005.07.25
(文責:広崎正隆 S63卒)