2006春一次予選 ブロック決勝戦観戦記 2006/03/22




 日本国中がWBC=ワールド・ベースボール・クラシック決勝戦でキューバを 破り、日本野球が世界一になったことに歓喜するほんの10分前、多摩川河川 敷の日体荏原高校野球部グランドでは我らが学院が、都日野高校相手に7-1 と完勝し、ブロック優勝を果たしました。これにより、4月1日から始まる春 季大会本大会に出場することが決まりました(組合せは別掲)。

春の陽気の中での熱戦  そのブロック決勝戦、2日前の19日に行った日体荏原戦とは打って変わって 終盤まで1点を争う息詰まる展開が続きました。双方にところどころ失策が出 てピンチを迎えるも、互いに両主戦投手が踏ん張り引き締まります。2回表の 攻撃でそつなく先制した学院でしたが、その後なかなか追加点が取れず、観 戦したOBの皆様も一様にはらはらされていましたし、ましてや実況中継メール を頼りにされていた方々に至っては全く物事が手に付かなかったことと思い ます。

力投する玉地投手  しかし、これまで接戦でもろさが出ていたときとは違い、投手陣が相手の 先頭打者をほぼ確実に打ち取り、余計な四死球も出さなかったのは、今後上 位進出していく上で非常に評価出来るところです。さらに4回裏の守りでは、 バント処理をうまくこなしてダブルプレーに切ってとりました。走者が失策 で出ていただけに、この試合の大きな流れをつかむファインプレーであり、 言うなれば勝つべくして勝ったというものです。

学院の攻撃  また、日体荏原戦ではかなりひどかった走塁も中一日おいてしっかり修正 されていました。出塁した度に次の塁を狙おうとする姿勢がチームに徹底さ れていたこと、特に8回表の3点目ではセカンドランナーが一・二塁間のヒッ トで生還しましたが、相手ライトが強肩で好返球してきたにもかかわらず好 スライディングでタッチを交わしたのには、感動を覚えました。WBC決勝で、 最終回イチロー選手のタイムリーでソフトバンクの川崎選手が見せたスライ ディングを彷彿とさせた(ちょっと褒めすぎ??)と言ってもいいくらいです、 高校生レベルでは。おまけに最終回の攻撃では2点追加してなおも一・三塁の 場面で相手の軽いワイルドピッチを見逃さず三塁ランナーがホームイン、一 塁ランナーも一気に三塁まで進むという、まさに試合巧者ぶりを見せつけた 格好でした。

円陣を組む選手達  観戦されたOBの中には、もっと早く仕掛けて楽な展開にしてほしかったと 贅沢な苦言を呈す人もいましたが、やはり公式戦という緊張感の中で、しか もまだ2試合目という慣れない雰囲気に包まれていて、しかしながら初戦の 反省点を軌道修正して戦ったあたりは、とても素晴らしいものと言えます。 もともと個々人の能力は高いわけですから、その点と点が組織力の向上によ り線となり面となっていけば、はっきり申し上げて怖いものなしです。もち ろん、まだ未完成のチームですから、綻びも多々あります。が、このチーム には”何か”があるような予感を感じさせます。それはどうか4月1日以降球 場に足をお運び頂いて、直接ご覧になって頂ければお分かりかと思います。

 偶然にも昨日、気象庁は東京で桜が開花したと発表しました。まさに学院 のブロック優勝、王ジャパンの世界一を祝福するかのような開花宣言です。 ただ、学院桜はまだ三分咲き、満開となるのは来月ですから、これからもど うぞ温かくも厳しい目線で応援のほどよろしくお願いします。


2006.03.22
(文責:広崎正隆 S63卒)