2006春季大会 二回戦観戦記 2006/04/03




 いよいよ春季本大会が始まりました。ご存じの通り、この大会は 夏のシード校を決めるためのものではありますが、一冬越して各校 がどれだけレベルアップしているかを見る、あるいは各校に我が学 院の力を試してみる非常に貴重な公式戦と位置づけております。

 すでに学院は一次予選の2試合を戦い、公式戦の緊張感には選手も 慣れてきた頃です。しかし予選との違いは、これまでの河川敷から まさに球場へとグランドが変わること、急に余所行きの野球になっ たりしないかというのが、多少懸念されるところでした。

 そんな中、初戦の都富士森戦が始まりました。初回の守りはまず まず無難にこなし、逆にその裏の攻撃では相手が四球連発でくれた チャンスを足をうまく絡めて4点先制するという、公式戦3戦目の利 点が出た感じです。ただ、そもそも相手がエースを立てずにライト を先発させてきたことには学院も舐められたものだと言えます。選 手が奮起したのもよく分かります。

 しかし、その後がよくありません。自らのミスでいきなり4点失い、 精神的に落ち込んでいるはずの相手投手を、2回の攻撃でも一気に畳 みかけなければならないところ簡単に三者凡退に終わってしまい、こ れが結局最後までこの試合の行方を分からなくさせてしまった要因と 言えるのではないでしょうか。

 また予選とは打って変わり、多くの回で先頭打者の出塁を許してし まった投手陣も、正直不甲斐ないところです。試合を有利に運んでい るのに勝手に独り相撲を取ってしまうことは、この先予想される厳し い戦いにおいて致命的です。打者に向かう気持ち、逃げない気持ちを 忘れず、1つ1つアウトを積み重ねていく姿勢を常に持ち続けてほしい ものです。

 一方、攻撃陣に関しては、中軸に当たりが出てきたことが好材料で す。チーム全体でも、ヒット14本で13得点。もちろん四球も絡んでま すのでもう少し上積み出来ていてもおかしくはありませんが、それで もビッグイニングとなった4回の攻撃では4連打も出るなど、打線の集 中力も確実に上がってきた感じです。毎試合課題の走塁も、重盗含め 積極的に次の塁を奪う姿勢が選手全員に染みついてきていて、「足に スランプはない」と言われる野球のセオリーを体現しています。

 今回の試合は、相手の出鼻をくじいたものの、息の根を止める前に 敵に塩を送って生き返らせ、結果自分の首を絞めてしまったという、 もし負けていたらこんな茶番はないという展開でした。かつての学院 であればどんな相手でも互角に戦う、戦ってしまうのが特徴でしたが、 やはり上を目指すためにはお付き合い野球は卒業しなければなりませ ん。首脳陣、選手ともどもこの試合をいい反省材料にして、5日の2回 戦に臨んでほしいと願います。応援にお越し頂いたOBの皆様、関係者 の皆様、本当にありがとうございました。次からは平日が続きますが、 どうぞ引き続き温かいご声援をよろしくお願いします。


2006.04.03
(文責:広崎正隆 S63卒)