2006春季大会 三回戦観戦記 2006/04/07




 春の大会、ぽかぽか陽気の中での試合を想像しておりましたらと んでもないほど肌寒い天気で、観戦者にはかなり厳しい状況で3回 戦の豊南戦が始まりました。

 試合前のシートノックでは学院はなかなかの出来映えで、正直楽 観的な試合展開を予想したほどです。しかし、先発した林投手が初 回二死から簡単に四球を与えるなど、今ひとつしっくりこない立ち 上がり。その後も無駄な四死球を出して、自ら苦しむ流れを作って しまいました。主審がかなり厳しい判定をしていたとはいえ、前回 の都富士森戦での反省を生かし切れていないピッチングだったと言 わざるを得ません。おまけにこの試合も、先頭打者の出塁を許しす ぎました。豊南打線はあまり振りの鋭い打者も見あたらなかっただ けに、今回の6失点は学院投手陣にとっては大いに反省してもらわ ねばなりません。冷静に見れば、4回に打たれた本塁打以外はやら ずもがなの失点でした。

 それに引き替え守備面では、ライトの小澤選手が強肩ぶりを発揮 して大ピンチを未然に防いだ他、6回の逆転された場面ではなおも 一死1、3塁と相手のチャンスが続く中、牽制で1塁ランナーを引っ かけ早々にアウトにした上で、3塁ランナーも本塁でアウトにして ダブルプレーと、一歩間違えれば相手に試合の流れが行ってしまい かねない状況で日頃の練習の成果が出ていました。こうした結果は 今後の大きな自信となるでしょうし、エラーをしてしまった一部の 選手達ももっともっと普段から磨いて実戦で投手陣を盛り立てるプ レーが出来るよう精進してもらいたいところです。

 一方で攻撃面については、この大会に入ってからの特徴でもあり ますが、後半に打線が爆発しました。「逆転されて初めて火がつく」 という、一部OBの声もありますが、それにしても毎試合ビッグイニ ングを作るあたりは大したものです。しかし欲を言うのであれば、 特に立ち上がりストライクが全然入らなかった豊南の主戦を早い回 から攻め立てなければいけません。初回もノーヒットで1点を取り、 なお一死満塁の場面で追加点が取れなかったことを始め、余りにも 残塁が多かったことは、アップアップの相手投手を結局助けてしま うことになりました。豊南には失礼かもしれませんが、5回でコール ド出来ても何らおかしくない相手だっただけに、不満は残ります。 早々に出鼻をくじき、相手の戦意も喪失させなければ、夏までを見 据えた場合楽に勝てる試合でも勝てない、最後は自分達が疲弊して しまうことになるわけで、もっと勝ち方を学んでほしいと思います。

 加えてこの試合でも走塁が良くありませんでした。リードが未だ に小さく全く相手にプレッシャーを与えられていません。2塁に進ん でも本当にヒット一本で帰ってこれるのか、首を傾げる選手がまだ います。決して派手ではありませんが、豊南バッテリーは特にワイ ルドピッチ、パスボールが多かったことから、個々の選手が意識を 高めさえすれば展開はかなり違ったはずです。こうしことは毎度毎 度書いているような気もしますが、選手達の意識改革を切に願いた いところです。

 とはいえ、確実に学院のレベルは向上しています。私自身、選手 に求めるものが随分ハードル高くなっていると思っておりますし、 実際少しずつではありながらも全国レベルに近づいていることは間 違いありません。明日の日大三高とは、何と20年前にやはり春の大 会で対戦して以来となります。前回は延長の末1点差で敗れました。 その当時はまだ生まれていなかった現役選手が、いよいよその借り を返してくれる大きな試合となります。これまでも学院の歴史では 日大三高が立ちはだかることが多々ありました。その三高を破って 夏のシード権を獲得する、これは必ずしも難しいことではないでし ょう。投手陣が相手打線を恐れずに投げて、徐々に調子が上がって いる打線が早い回から積極的に攻めれば、世間の下馬評を覆すこと は容易です。まさに学院の新たな歴史の1ページとなることが可能 なだけに、どうか皆様何があっても明日の午前10時には大田スタジ アムにご参集ください。都の西北、紺碧の空を声がかれるまで歌お うではありませんか!!


2006.04.07
(文責:広崎正隆 S63卒)