無念の一次予選敗退〜春季大会総括〜 2007/04/09




 3月21日、東亜学園と春季大会一次予選のブロック決勝を戦った学院ですが、 結果は7回コールド負けでした。1回戦、2回戦を順調に勝ち上がっていただけに ちょっと意外な結果でしたが、これが現実だと厳粛に受け止めざるを得ません。 祝日を潰して桜美林球場に足を運んで頂きましたOBの皆様、並びにメールによる 実況中継等で応援して頂いた皆様、本当にありがとうございました。残念な結果 ではありますが夏につながる貴重な経験だと信じ、これからもどうか温かい視点 で学院野球部をお見守りください。

 今回の3戦ですが、栗山部長の言葉を借りれば、「正直なところ良くここまで 出来るようになった」というのが率直なところかもしれません。何せ前の代が 1年生時から活躍したスター選手が多く、ごっそり抜けた新チームはまさに一から のスタート。加えて松本前監督から松橋監督に代わり、選手達も期待と不安が 入り交じった中で手探り状態だったと思います。大会に入る前の激励会で白村 主将が、「3年生の存在はとても大きく、新チーム以来まとめるのが大変だった」 といみじくも語った言葉がすべてを物語っているでしょう。

 こうした中迎えた春季大会。直前の練習では、白村主将が大きな声を出して チームを引っ張り、非常に活気付いていました。大したけが人もなくまずまずの コンディションで大会に入れたと思います。実際初戦の本郷、次の錦城学園と、 2戦で18得点、逆に失点は1点だけと、春という現時点で見ればほぼ完璧な内容 でした。特に2戦目で登板した鶴谷投手が8回ながら1安打完封、その1安打も 投・捕間のボテボテを譲り合って内野安打にしてしまっただけと、圧巻のピッチ ングでした。東亜学園戦でも最後の2イニングを投げ、エラーが絡んで1点こそ 失いましたが、相手の中軸には真っ向勝負を挑んで抑え込むなど、夏に向けて 大きな柱となっていく予感を与えた結果だったと言えます。東亜学園の上田監督 が錦城学園戦をネット裏で観戦されて鶴谷投手について「こんな好投手も学院に はいたのか!」と驚かれたとの話を間接的に聞きましたが、その通りの内容 だったのではないでしょうか。

 春はどこのチームも実戦経験が乏しいため一方的な試合展開になりがちです。 東亜学園との試合でも、初回の学院の攻撃で相手投手が一死後に四球を連発して 貴重なチャンスをもらいましたが、4番、5番が三振で活かせませんでした。 2回も二死満塁の好機を潰してしまいました。たらればは禁句であることを重々 承知した上ですが、序盤は学院が押しておりこうしたチャンスでもしあと一本が 出ていれば逆の展開も予想されたところです。先発した新井投手の精神的負担も 大いに軽減され、彼本来の強気のピッチングが通用したことでしょう。冒頭にも 記した通り結果は結果として受け入れねばなりませんが、単純にこの得点数字が 実力だということではありません。まだまだ発展途上のチーム、走塁を始め 課題は数多く見られますが、首脳陣には夏までにきめ細かい野球を指導し、もと もと備わっている力(パワー)に加えて、どんな相手であろうともそつなく試合 運びが出来るチームに育てて頂きたいと切に願うところです。

 大会敗北後、学院は静岡遠征なども精力的にこなしています。これから数多く 組まれている練習試合でも、単に勝ち負けにこだわるのではなく、一戦一戦目的 意識を持って臨むべきです。素質のある選手を大勢抱えながら今ひとつ伸び悩む 背景には、まさにこの「意識」の差にあると言えます。甲子園に行きたい、行け ればいいなと夢見るだけのチームなのか、甲子園に出るために何をすべきか、 自分達こそが西東京No.1になるチームなのだと強く自覚して日々練習するのか、 その考え方の違いが必ず公式戦の場で、しかもここぞという土壇場で差となって 出てくるはずです。言うは易し、こうした指導は一週間や一月そこらで実を結ぶ ものではなく、首脳陣の根気が試されるものです。すでに4月に入り、本番の夏 まで残すところ3ヶ月余りとなりました。我々OB会にも何か現場を支援できない か、真剣に考えます。大学や学院など、野球部を取り巻くありとあらゆる組織 にも理解とご協力を頂き、とにかく早稲田大学創立125周年の記念すべきこの夏、 「都の西北」を全国の晴れ舞台で響かせる、ぜひとも実現させましょう!



2007.04.09
(文責:広崎正隆 S63卒)