2007夏〜総会兼壮行会報告&大会展望〜 2007/07/21




 全国で熱い熱い戦いが繰り広げられています。“2007夏”は果たして どんな感動を私たちに与えてくれるのか、楽しみは尽きません。

 その前に、先月23日、学院にて恒例のOB総会兼壮行会が開催され、 近年にはないほどの盛況ぶりでした。学生OBも、現役大学野球部員の 寺田、浜島(以上3年)、佐藤祥(2年)の3君を筆頭に大勢が集まって 後輩にエールを送ってくれました。昨年新チームのスタート時は前の 代がスター揃いだっただけにどうしても見劣りしがちでしたが、学院 伝統の驚異的な伸び率を今年も発揮、白村主将を中心に非常にまとま りのいい、チーム力としては実に素晴らしい出来に仕上がったと言え ます。今回総会にお集まり頂いたOB会員の皆様はその辺の事情もよく ご存じだったようです。冒頭挨拶したOB会の高橋会長は、「ここに来 れないOBもたくさんいるが、皆さんのことを気にしている。13回、14 回勝てば頂点。それを目指してガンバレ!」と、西東京予選開幕前か ら早くも8月22日頃の全国制覇を話題に出していました。続いて三宅 先輩が、「みんないい顔してるし頑張ってくれると思う。うまくいけ ば試合見たい。学院野球部の健勝祝して乾杯!」と音頭を取って頂き、 一気に和んだ中で会が始まりました。

 その後、参加された会員の皆さんから激励の言葉を頂戴しました。 中でも社会人OBからは巌先輩が、「今年はブロック的に面白い。2〜3 回抜ければ行ける。体調管理しっかりして、ぜひともOBを甲子園に連 れて行ってくれ」と、檄を飛ばされ、巌さんの同期の富岡先輩は、 「3年生は腹据えてがむしゃらに戦ってくれ。最後の大会と思うので なく、自分たちの晴れ舞台と思ってくれ」と、緊張しがちな選手心情 をおもんばかる温もりを感じました。

 一方、学生OBからは、今春卒業したばかりの森田君が、「あのとき もっと出来たと思うことある。頑張ってほしい」と、期待されて敗れた 悔しさを表現し、鈴木前主将は、「勝ち抜けないブロックじゃないの で一戦一戦やれば大丈夫。丁寧にやれば勝てる。悔いの残らないよう にというのは難しいが、練習も一日一日あるだろうからもっと集中して、 全力出せば悔い残らないはず。最後は甲子園で優勝して本当に悔いの 残らない大会にしてくれ」と、悔い悔いを連発しながら、やはり昨年 の想いを今年のチームに託しました。

 さらに、現役大学野球部員からは、寺田君「主に投手コーチをやって て、今年の春からの(斎藤佑樹などの)早実メンバーの面倒見てきた。や っぱり彼らがやってきたことと自分が現役の頃の練習と比較すると、学 院で必死にやったと思っていたことが大学ではそれって練習?というレ ベル。自分らは強いと言われて結局初戦敗退。なんでこんなとこに負け たかと思ったが、負けるべくして負けた。学院の狭いところでやると自 己満足するだけで、大口叩くくらい俺は西東京でもこれなら誰にも負け ないとか、関東とか日本とか、同世代とかにも負けたくないという思い が大切。ここまで来たらやるしかない。後悔しないように全力でやって くれ」、浜島君「主将中心にまとまったチームという印象。3年生のチー ムなんで全員で引っ張ってほしい。チーム全員一日一日全力出し切って、 やり残したことないよう、一球にこだわり、1にこだわってほしい」と、 大学でも続け、なおかつ重要なポジションでいることから来る自信が言 葉の端々に垣間見てとれました。また佐藤祥君は、「3年の夏に完全燃 焼出来たという経験がもう一回大学でやろうと思ったきっかけ。他のこ とやってる同期もいるが、3年生は自分に出来ることあるはずなので完全 燃焼出来るようにガンバレ!」と、こちらも今の3年生と2年しか違わず、 多少でも学院で一緒にやってきたことから思い入れの強い激励を贈って くれました。

 この他にも、OB会に久しぶり参加してくれた平成8年卒の柿木、石川 両君を始め、冒頭にも書きました通り大勢にお集まり頂き大盛況、大激 励会となりました。この場を借りて、出席者の皆様にはお礼申し上げます。

 一方、こうした先輩方から励まされた今年のチームを代表し、白村主 将は立派な決意表明をしてくれました。「秋、春と満足行く結果は出せて いません。若干の不安抱えて夏を迎えますが、自分たちがこの夏勝ち抜く ことが出来ない理由にはならないです。秋春と悔しい気持ちをこの夏は 全面に出して戦います。OBの皆様からかけて頂いた一言一言を胸に刻んで、 68人全員一丸となって戦い、この夏は甲子園行きますので応援宜しくお 願いします」。また首脳陣からは、松橋監督が「夏しっかり戦えるチーム に出来た。最後、無心になれと言うのは難しいが、OBの(甲子園に対する) 想いは現役部員の比じゃない。プレッシャーをエネルギーに変えること、 3年生は3年間、2年は2年間、苦しい練習やってきたのだから晴れ舞台で 全部出すように」、栗山部長は「今年は何かが起こりそうだ。私も長く この世界に携わっていて、この先も続いていくが今までチームを支えて くださった監督、学生監督達も一生懸命甲子園に連れて行こうとしてく れた。OBは500人以上いる。日本国中巻き込んで学院旋風起こしたい」と、 例年以上に熱のこもった抱負を頂きました。

 最後は恒例の「都の西北」で締めましたが、今年は誰もが悲願のアル プスで熱唱出来るとの予感を抱き、あっという間に総会兼壮行会が終了 しました。この後盛り上がりが絶えぬまま2次会に繰り出しましたが、 ここでは割愛します。

 さて、今回の大会、相手には不足ないブロックではありますが、決定的 に日程にかなりの余裕があることが、学院にとっては最大の追い風です。 毎年学期末試験と重なり、直前の最も重要な調整が疎かになるところ、今 年に限っては万全な状態で臨むことが出来るわけです。3年生主体であって も、やはり2年生、1年生が一緒になって、白村主将の言葉にもあったよう に68人全員が1つの目標に向かって取り組む、これぞまさしくチーム一丸 であり、3年生の背中を見た2年、1年が次につなげていくわけですから、 今夏は願ってもない組み合わせです。

 投手陣については、2年生でエースナンバーをもぎ取った鶴谷投手を軸 に、本当に様々なタイプが揃いました。直前の練習試合でも個々に調子を 上げてきています。140キロを出す速球派から、うまく相手打者の打ち気 を外す軟投派まで、ここまで硬軟織り交ぜた顔ぶれがベンチ入りするのも、 近年なかったことでしょう。あとは本番でマウンドを託された1人1人が、 松橋監督が仰る「プレッシャーをエネルギーに変え」て投球すれば、まず 大崩れすることはあり得ません。加えて、守備陣も今年に入ってから特に、 白村主将を中心に鉄壁な守りをしています。守りからリズムをつかむこと も度々あり、楽しみなチームとなりました。ただあえて不安要素を挙げる としますと、投手を始めまだまだふとした間が差すことがあります。そこ を相手に衝かれると重苦しい空気が流れ、取り戻すのに時間がかかってし まいます。次がない公式戦であれば、1球の重みをしっかり感じ取って、 ゲームセットの声を聞くまでは気を抜かない、集中力を絶やさない、ごく 基本的なことが求められます。

 逆に打撃陣ですが、1番に起用されるであろう白村主将の斬り込み隊長 ぶりに注目したいところです。彼の出塁率は高く、おまけに長打率も高い だけに、順当に打ってくれれば打線は一気に活気付きます。クリーンアッ プもそれぞれが一発を打てる力を秘めており、爆発すれば止めどなく点が 入ることでしょう。長丁場の夏、コールド出来る試合は遠慮なくコールド で終わらせ、投手陣への負担を和らげてあげることが重要です。直前練習 でも、レギュラーメンバーだけでなく控えに回る選手達もポンポンと外野 の頭を越える打球を放っています。打線は水物というのは世の常で、この 通りの結果を出せるとは限りませんが、もともと腕っぷしの強い選手が多 いだけに相手投手陣からすれば今年の学院打線は厄介なはずです。もっと も、毎年苦言を呈す走塁については、まだ未完成な面があります。思い切 りのよさ、判断力の早さ、冷静な相手守備陣等の分析、走塁にはセンスが 付きものとも言えますが、これは戦っていくうちに経験を積んで向上する ところもありますから、今年こそは期待したいものです。

 いよいよ予定では明日22日(日)、初戦を迎えます。今大会はシード校と 同じ待遇のくじ運に恵まれました。これを運だけに終わらせることなく、 すべてを味方に引き寄せ、堂々とした戦いをしてほしいと願います。初戦 の相手、八王子実践は、練習試合でも対戦した記憶がありません。どんな チームかは不明ですが、1回戦は5-0の完封で都府中東を下しています。点 数だけ見ますと、ディフェンスがまとまっているのかもしれません。しか しうちの打線を同様に押さえ込めるでしょうか?これはぜひとも八王子球 場に足を運んで頂き、皆さんご自身の目でご覧になってください。きっと 今年は、何かが起きますよ!



2007.07.21
(文責:広崎正隆 S63卒)