2007夏 大会総括〜成長著しかった3年生に感謝〜 2007/08/02




 先月31日、創価が12年ぶり5回目となる甲子園切符を勝ち取り、 西東京大会は幕を閉じました。今大会は第一シードの東海大菅生 が初戦敗退し、優勝候補の一角とも言われた桜美林も2戦目で敗 れるなど例年になく波乱続きで、どこが優勝してもおかしくない 戦国大会だったと言えます。

 そんな中、我が学院は7月22日、どんよりとした湿度の高い、 非常に鬱陶しい日に初戦を迎えました。今年はくじ運が良く、期 末試験から1週間以上も間が開いたことでチームは申し分ない調整 が出来、いざ「八王子実践」戦となったはずです。学院の勝利を 固く信じて、朝方からの雨の影響で試合開始が2時間以上も遅れた にもかかわらず最後まで応援して頂いた多くのOB会員や関係者の 皆様、本当にありがとうございました。野球部にも代わりまして 改めてお礼申し上げます。

 しかしながら、学院は敗れました。観戦していた人すべてが、 「まさか」「ウソだろ」と思ったに違いありません。それもその はず、初回の攻防を見ただけでも攻撃力、投手力の差が歴然で、 2回表の学院の攻撃に至っては4番の吉原選手が目の覚めるセン ター前ヒットで出塁するや、その後もヒットが続いて早々に2点 先制と、順調な仕上がりぶりを見せつけたからです。ただ、結果 的にはこの2回、先制した後もなお一死1、2塁のチャンスがあり ながら、強攻策が裏目に出て追加点を奪えなかったことが尾を引 いてしまいました。5回表も、先頭の1番白村主将が出塁し、送ら ずに強攻して最悪のダブルプレーとなって点は入らず、徐々に徐 々に流れは相手に傾いて行きました。

 一方、先発したエースナンバーの鶴谷投手、初回を難なく3人 で片付け上々の滑り出しでしたが、先制直後の2回裏、先頭の4番 にセンター後方の大飛球を打たれ、背走したセンター一度は追い つくも落球、3塁打としてしまいました。それでも後続を2人打ち 取り、もう1人踏ん張れば主導権をつかめる、そんな局面で7番バ ッターに1、2塁間を抜かれてしまい、相手の息を封じ込めるには 至りませんでした。点を取った後は絶対に点をやってはならない、 3回以降安定したピッチングを繰り広げただけに何とも悔やまれる 失点でした。

 楽勝と思えた試合のはずが次第に行き詰まる接戦、というか、 先制してからが波に乗れない学院に対し、必死で粘る八王子実践、 7回裏に出たよもやの逆転2ランも、こうした試合展開が後押しし た一発だったのかもしれません。8回表、先頭の2番が3塁打を放ち すぐさま同点のチャンスを作りながら、ここでもクリーンアップ に強攻させ結果は無得点、最終回は逆にヒットで出塁した先頭打 者をバントで送って、さらに次打者が三遊間をしぶとく抜き一死 1、3塁まで攻め立てたものの、スクイズ失敗、セカンドゴロと後 続を断たれ万事休しました。

 この試合、率直に言えば負けるべくして負けたものです。ベン チの采配について結果論でどうこう言うのは御法度ですが、それ にしてもほとんどが単調な強攻策一辺倒には首を傾げざるを得ま せん。2点先制した辺りでは、この後4〜5点はまだまだ取れるだ ろうと予測出来ましたが、それも確実にバントなどを織り交ぜ相 手投手を始めとする守備陣にプレッシャーを与え続けていって取 れるもの、それこそ大阪桐蔭の中田選手のような超高校級がいる 打線ではないのですから、もっとシビアに試合を進めるべきでした。

 そうは言いながらも、今年の代は前年のチームと違いスター選 手不在で、昨夏発足した当初はどうなることやらと、端から見て いても不安を感じました。それがここまで立派なチームに仕上が ったことは首脳陣の熱意と、何と言っても白村主将中心に必死に 努力してきた3年生、またその姿を見て育ってきた2年生、1年生が あってこそです。結果は初戦敗退とこんなに無念なことはありま せんでしたが、人間やれば出来る、為せば成る、ということを地 で行ったチームで、彼らを知るOBからすれば本当に心の底からよ くやった、よく頑張った、お疲れさん、と言ってあげたいと思い ます。3年生にはこの努力を夏の1試合だけで終わらせるのではなく、 ぜひとも次は神宮目指して大学野球部に飛び込み、実力、才能を 開花させてほしいと願います。

 そして残された2年生、1年生は、早くも秋に向けて始動していま す。新主将に吉原選手が就任し、7日からは仙台遠征、12日からは 夏合宿と、チーム力強化の日程が続きます。首脳陣にもこの夏の敗 戦をしっかりと分析して頂き、やはり負ければ明日がない高校野球 ならではの戦い方、もっと言えば公式戦までの練習方法や精神面の 鍛錬等々、工夫してもらいたいものです。幸い主力が残り、さらに は今回ベンチ入り出来なかった選手にも即戦力が数多く控えていま す。こんなに恵まれた状況で秋にはブロック優勝を逃すなんてこと は到底許されません。緊張感持ってこの8月を過ごすべきです。こ のところ当HPの掲示板にはかなり厳しいご指摘が見受けられます。 しかしそれは期待の裏返しだと感じております。早稲田大学創立125 周年という記念すべき年に、学院がこのまま凋落していくわけには いきません。OB会員の皆様、関係者の皆様、あるいは学院に関心を 抱いてもらっている皆様、どうか今後も学院野球部を厳しくも温か い目でお見守り下さい。少しずつではありますが、変貌を遂げるた めに内部は変革しつつあると思っています。9月に入れば始まる秋の 大会、ぜひまた諦めずに、懲りずにグランドにお越し下さい。必ず や選手達はかけがえのない感動を私たちに与えてくれるはずです。 よろしくお願いします。



2007.08.02
(文責:広崎正隆 S63卒)