勝負の夏2008 学院展望 2008/07/14




 北京オリンピックの影響で今夏は例年より5日程度早い7月5日(土)に 東西合同の開会式を行った東京、すでに各球場で連日熱戦が繰り広げ られています。全国でも沖縄で早くも代表校が浦添商に決まるなど、 高校野球熱はどんどん高まっています。

 そんな中、第4シードとして登場する我が学院野球部は16日(水)の 初戦に向け最終調整を行っています。相手は都武蔵丘を6-3で破った 大成高です。その大成高は一体どんなチームなのか、都武蔵丘戦の データ等から分析しますと、投手力が安定し守りが鍛えられた好チ ームです。特にエースは制球力が高く、学院打線もてこずることが 予想されます。連打は望み辛いだけに、少ないチャンスを活かせる かがカギとなりそうです。一方大成打線は、4番の大型左打者を中心 に選球眼が良く、コツコツと当ててくる印象があります。学院投手 陣が無駄な四死球を出さず、先頭打者もきっちり抑える基本が出来 るかどうかが勝敗の分かれ目かもしれません。

 さて、その学院、毎年のことながら期末試験との両立に選手たちは 苦労しています。初戦の前日15日にようやく試験は終了しますが、こ の間練習時間等の制約があり、学院の甲子園出場に向けては大きなハ ンディです。学業あってこその部活動である以上仕方ないとはいえ何 とかならないものか、というのがOB共通の思いではないでしょうか。

 さはさりながら、15年ぶりのシード権を得て大会に臨む選手たちに は自信が漲っています。多少けが人もいますが、主力は高い意識の下 調整を行っていて、16日は万全の状態で迎えられることと思います。 新聞や野球雑誌等で盛んに取り上げられている今年の学院投手陣、エ ースの鶴谷投手、鶴谷投手に引けを取らない大野投手、ともに順調な 仕上がりを見せています。果たしてどういう投手起用となるのか、松 橋監督も直前まで悩むようですが、どちらが先発しても、どちらが抑 え役などに回っても大量失点することはまず考えにくく、バックも引 き続き安定していることから守備からリズムを掴む展開となりそうです。

 攻撃面では、やはり吉原主将がチームに活力を注入出来るかが大きな ポイントと言えそうです。大成高もさることながら、勝ち上がっていけ ば行くにつれ好投手が立ちはだかるだけに、4番の一撃は間違いなく明 暗を分けます。と同時に、吉原主将の前後を打つクリーンアップや、 1、2番の出塁率も大事な要素です。超高校級のスラッガーがいるわけで はないのですから、場面場面で各選手が自分の役割を認識し総合力で相 手投手を攻略していくことが頂点に立つ条件です。松橋監督には的確な 采配を期待し、効率的に得点を重ねてチームを勝利に導いてもらいたい と願うばかりです。

 ところで、学院が対戦しそうな相手はどんなところか、初戦の大成高 以外にも学院が入った西東京のDブロックには強豪校がひしめいています。 初戦の成蹊高に完封勝ちした法政大高(旧法政一高)、秋に学院が苦杯を 喫した東海大菅生、さらには春の大会で延長戦の末破ったものの桑田真澄 ジュニアが入部し活気付く桜美林高、好投手と前評判が高い澤田投手を 擁する第二シードの日大二高・・・いくら学院がシードされているとは いえどの試合も気が抜けることはなく、ここ最近ベスト16止まりが多い 中その壁を突き破って一気に甲子園切符を勝ち取るには茨の道であるこ とに違いありません。しかし、今年はそれをやってのけるだけの戦力が 整っていることも事実なのです。初戦の16日から一日おきに試合が組ま れており、順当に進めば決勝戦は26日。6試合のうち前半3試合は八王子 球場で、準々決勝、準決勝、決勝は神宮球場と、毎年いろんな球場を転 戦しているのと比べれば日程的には恵まれています。

 学院野球部を毎年見ている人こそ、今年への期待感は大きいはずです。 単にシード校となったからではありません。吉原主将を中心にきっちり とまとまり、目標への意識が極めて高いからです。いつまでも学院は西 東京の世界だけに埋もれていてはならない、何としてでも甲子園のアル プススタンドで「都の西北」を熱唱し、全国に学院ありを見せ付けると きなのです。今夏も平日の多い試合日程ではありますが、どうか一人で も多くのOB会員の皆様に球場へ足を運んで頂き、現役選手に激励の言葉 をかけてあげてください。それが必ず活力となって、大事な大事な場面 できっと活躍してくれるはずです。上記の対戦予想校はいずれも大勢の 応援部隊がいるだけに、こちらも負けずに勝利を後押ししてあげるべく、 皆様の大きな大きなご声援を頼りにしております。


2008.07.14
(文責:広崎正隆 S63卒)