2009春季大会展望
〜2年連続シード権獲得が至上命題〜 2009/04/01





 4月に入り、いよいよ春季大会本大会が開幕しました。この展望レポート、 その開幕には間に合わず、執筆が遅れてしまったことお詫び申し上げます。

 さて今大会は、昨年15年ぶりに勝ち取った夏のシード権を再び獲得すべく、 極めて重要なものと位置付けております。昨秋、ブロックの決勝戦で帝京に 敗れて以降、攻撃力、守備力、そして走塁と、全般においてレベルの向上に 務めてきました。特に、経験豊富な主戦・大野投手を中心に守りには磨きが かかり、どこを相手にしても余計な、無駄な点は与えません。このことは チーム内の安心感につながっており、攻撃面にもプラスに作用しています。 極論すれば、先に2〜3点取れればまず負けない、これが今年のチームの 特徴と言っても過言ではありません。とはいえ、現時点ではまだ発展途上で、 夏に向けてさらに伸びる可能性を大いに秘めております。非常に楽しみな チームと言えるでしょう。

 そんな中迎えるこの春の大会、初戦は4月3日、都昭和に決まっています。 都昭和は昨秋、日大三高と初戦で当たり、1-15の6回コールドで敗退、 そのため今春は一次予選から出場し、ブロックを勝ち上がって来ました。 ブロックでは3回戦ったうち2試合目では往年のファンが多い日大桜ヶ丘に 4-0のシャットアウト勝ち、ブロック決勝では昭和第一学園を8-2で 退けるなど、常勝ムードに乗っていることは容易に想像が付きます。もともと 都昭和は都立勢の中でも実力のある高校で、3年前の夏には劇的な全国制覇を 果たした早実と西東京予選の初戦で当たり、斎藤佑樹投手を最後まで苦しめた ことでも有名です。こうしたことを踏まえると、学院にとっては手強い相手と 言えます。これまで通り、投手陣がしっかりと相手打線を抑え、少ないで あろうチャンスを如何に攻撃陣がものに出来るか、そして勢いに乗っている 相手のペースにどうやって持ち込まれないようにするか、これが勝負の鍵と なりそうです。

 この初戦に勝つと、2回戦はおそらく法政大高。シード校であった前年の 代が昨夏敗れた相手となる見通しです。法政大高の現在の監督は付属の法政大 中野球部の監督をしていた方で、選手は中学時代の教え子ということです。 当然お互いを知り尽くしているわけで、これはこれで非常に厄介な相手と なりそうです。ただ、昨秋はブロック準決勝で京華商に0-7の7回コールドで 敗れており、絶対的なエース奈良投手を擁した昨夏と比べると戦力的にはやや 疑問符も付きます。学院にとってはリベンジを賭けた戦いとなるだけに、 うまく相手の乱れなどに付け込みたいところです。

 夏のシード権を獲得するには3回戦突破が条件ですが、その3回戦には日大 一高か都東大和が有力と思われます。日大一高はやはり一次予選のブロックを 勝ち抜いて出場しており、もし対戦するとなると都昭和同様勢いに乗っている ことが予想されるため要注意です。ここを勝ち上がれば、昨春の4回戦と昨秋の ブロック決勝でいずれも苦杯を喫した帝京が相手となる可能性大です。去年1年 間はこの帝京の壁を越えられず実に悔しい思いをしてきました。これは、大野 投手を始め学院投手陣一人一人の脳裏にも焼きついているはずです。昨秋も 決して個々人の差は感じられませんでしたが、終わってみれば総合力で負けて しまっていました。この冬場のトレーニングでどこまでその差が埋まったか、 夏を占う上でも実に楽しみな一戦です。帝京に勝ってベスト8、そうなれば夏も シードランクが上がりますので、昨年の借りをきれいに返して学院ここにあり!を 見せつけてもらいたいと願います。

 前号でも触れましたが、学院には現在大学野球部で学生コーチをしていた神谷氏、 海津氏の2人が指導に来てくれています。海津コーチはこのセンバツにも出場した 新潟の日本文理高出身で、ご自身もエースとして甲子園のマウンドで投げた経験を 持っています。神谷コーチも、甲子園経験こそないもののその情熱溢れる指導には 学院の選手全員が完璧に信頼を寄せており、近年にはない充実した練習が出来て います。それに何と言いましても、大学から指導者を送ってもらえるということは まさに学院が附属である最大の証です。オール早稲田の観点からも大学の協力を得て 学院が強化され甲子園出場出来れば万々歳、出来なくてもレベルが上がった選手が そのまま大学で野球を続けることで結果的に早稲田全体の底上げにつながる・・・ 非常に望ましい循環が生まれるわけです。まだこうした取り組みは始まったばかり ですが、ぜひとも地に足をつけた形で継続していけば結果は必ずや後から付いて きます。神谷コーチは先日の卒業生を囲んだ会で、「春は勝てるだけ勝つ。必ず夏に つながるので一戦一戦を大事にしていこう」と、心強い挨拶をしてくれました。 我々OBもぜひ、この春からの学院の快進撃に期待しましょう!



2009.04.01
(文責:広崎正隆 S63卒)