決戦目前!2009夏展望
〜春の屈辱を糧に創部60周年の悲願達成でOB決起!〜 2009/07/14





 2年連続のシード権獲得を賭けた春季大会は皆様ご存じの通り、2戦目で 敗れました。それもよりによって、昨夏苦杯を喫した法政大高に、しかも 去年同様1点差負け――落胆された方も多かったことと思います。

 敗戦の要因はいくつか挙げられます。主戦大野投手の不調や、相手に追い 上げられた中でダメ押し点を取れなかったこと、等々。しかし、そろそろ 選手に負けの責任を押し付ける考え方は捨てるべきです。終わったことなので 詳しくは申し上げませんが、大会に入る前の不手際や選手の体調、精神状態の 管理に至るまで、明らかに監督のミスと言わざるを得ません。監督には来年が あるかもしれませんが、わずか2年4ヶ月の高校野球人生において選手達は その1大会1大会がすべてです。1試合、1イニング、1球を絶対に疎かにせず、 選手の実力を最大限引き出してあげるよう、首脳陣には意識の徹底を図って もらいたいと思います。

 その春の敗戦から3ヶ月が経ちましたが、先月6月27日(土)に開かれた 壮行会を兼ねたOB総会は初参加の方も含め約20人の方々にお越し頂き、 例年と変わらず盛況でした。お集まり頂いた皆様、大変お忙しい中本当に ありがとうございました。皆様から頂戴した選手達への叱咤激励は間違い なく彼らの心に響いていますし、甲子園出場経験はないものの学院野球部 の歴史、伝統を感じたはずです。実際OBからの熱く強い期待を受け今岡拓人 主将は「自分達が学院の新たな歴史を作ります」と挨拶、大きな拍手を 浴びていました。

OBから激励メッセージ  「伝統」―今年は学院創立60周年、同じく野球部も創部60周年です。 言わば“還暦”を迎えたことになります。この間数多くの方々が夢に 向かって挑戦し、そしてすべて敗れ去ってきました。非常に悲しい現実 であります。早稲田大学野球部と同じユニフォームを着て、同じ校歌 「都の西北」、応援歌「紺碧の空」を歌い、早実とは一線を画し、慶応 へのライバル心を持ち続け・・・しかし、肝心の結果が出ない。部活動 である以上甲子園出場がすべてではなく、その過程が重要だとのお題目 はもうそろそろ聞き飽きたところです。来年からは中学部も併設される 予定で、学院内は急ピッチで校舎建設などが進んでいます。まさに学院 の新たな歴史がスタートするわけです。いつまでも西東京の世界だけに 甘んじている場合ではありません。

 こうした中、いよいよ夏の予選が開幕しました。今大会は西東京の シード校がわずか4校だけと、それだけ見てもずば抜けた学校がいるの ではなく、どこにでもチャンスがある“戦国時代”と言って過言では ないでしょう。そこで我が学院はどのように戦うのか、皆様気になる ところだと思います。朝日新聞を始めとする各紙の展望欄や高校野球 雑誌、さらにはインターネットでの書き込み等でも大野投手の名前が 取り沙汰されていますが、実際1年生時から注目を浴び続けてきただけ に今夏が集大成。気力体力ともに最高潮にきており、大車輪の活躍を 見せてくれることは確実です。サイドスローからの140キロ超のストレ ートに高速スライダー、さらには・・・春、体調不良から思うような ピッチングが出来なかった反省からしっかりと体力強化、メンタル強化 に励んだ結果、投手として凄みが増したことは間違いありません。

 しかし、今夏の学院は大野投手に頼るだけの戦術ではありません。 実はその大野投手とエースナンバーを争うまでに成長したもう一人の “エース”格、杉山投手の存在こそ安定感ある戦いが出来ている要因 です。この2人を中心とした守りの野球が今年の学院野球の身上で、 守備からリズムを作って攻撃につなげていくことが出来れば、相手は どこでも全く気にならない、つまりは頂点が見えてきます。

今岡主将の抱負  一方、攻撃面においては決して大型の大砲がいるわけではありま せんが、今岡主将を軸に細かくどこからでもチャンスを作って得点 出来るしつこさが身に付いています。さらに足を絡めた展開へと持 っていければ大量点も十分可能です。あとは冒頭にも書きました通り 采配でしっかりと選手達の能力を引き出してあげてもらえれば怖い ものなしです。

 『全国制覇!!日本一 流した汗は嘘をつかない』学院グランドに 大きく掲げられている横断幕です。大学野球部から招聘した神谷氏、 海津氏の両学生コーチが選手達を鼓舞し、高い意識を植え付けるため に作成してくれた大切なスローガンであります。学院野球部に必要な ものは何か、それは“甲子園”を単に夢として語るのではなく、本気 で狙う、本気で目指す、日々の練習の延長上に必ず結果があるんだと いう信念を持って精進に励むことだと教えてくれるものです。前号で も書きましたが、彼ら2人の学生コーチの加入によって学院野球、 そして学院野球部は変わりました。創部60周年の節目のこの夏、必ず 私たちの悲願に向けて快進撃を繰り広げ、新たな1ページを刻んで くれるものと信じております。いつにも増して、皆様の熱い熱いご声 援、ご支援を学院野球部に注いであげて下さい。ぜひ球場に足を運んで 下さい。何卒よろしくお願いします。


2009.07.14
(文責:広崎正隆 S63卒)