3年生ご苦労様&春季大会直前展望
〜盛大に卒業祝い&壮行会開催!〜 2010/03/18





 3月6日(土)午後5時から、3年生の卒業を祝い、同時にOB会への 入会を歓迎する恒例の会が学院食堂にて開かれ、24人全員が久し ぶりに元気な姿を見せてくれました。中には、つい8ヶ月前の高校 球児のときとは髪型など一変し一瞬誰だか分からなかったり、 あるいはほとんど変わってなかったりと、毎年の光景ではあり ますが引退後の出で立ちを楽しませてもくれました。

 この代は昨夏、まさかの2回戦敗退を喫しました。実力は誰もが 認めるところでしたが1点差を跳ね返すには至らず終戦・・・ 試合後、ベンチ前で泣き崩れた西竹選手、最後の円陣で歯を食い しばり後輩に夢の続きを託した今岡・前主将、今でも思い返す だけで目頭が熱くなるのは私一人だけではないでしょう。今さら どうこう書くつもりはありませんが、高校生にはあまりにも酷な 大人の事情に翻弄された彼らだけに、せめて大学に上がってから 青春を謳歌してほしいと心から願います。

 こうした中、今岡、大野、富岡、西竹の4選手がすでに大学野球 部に入部、想いを甲子園から神宮に切り替えて頑張ってくれてい ます。もちろん、他の同期20人分の無念も背負っているとは思い ますが、焦らず怪我することなく、立派に4年間全うして欲しい ものです。1つ上の代も、鶴谷、山田、吉田、吉原の4選手が下積 みである1年間の修行期間を乗り越え、まずは新人戦のメンバー 入りを目指して元気に活躍しています。佐藤祥投手が今月卒業 しますが、1、2年生の若い世代に8人も学院出身者がいる現状は 本来の付属校としての大学との関係を物語るもので、OB会は全力 で彼らへのサポートもしていくつもりです。

 さて、話を会の模様に戻しますと、新人OBである卒業生は皆口 を揃えてまもなく始まる春の大会、さらには夏の大会に向けて後輩 を激励しました。「絶対に春は本大会に進んでほしい」「必ず応援 に行くので1つでも多く勝ち続けるように」「自分達が果たせなか った甲子園出場を!」など、夢破れてまだまだホットなだけに力強い 言葉が相次いでいました。これを受け現役を代表して岸主将が、 「先輩方に教わったことを忘れず、全力で戦います。先輩方も大学 に進学されても頑張って下さい」と、2年間心身両面で面倒をみて もらった先輩に感謝の言葉を述べました。また木田監督は、「同期 24人、これは一生の仲間。学院を卒業してからも年に1回は集まって ほしい。大学で野球を続ける4人は、苦しいかもしれないが辞めずに 頑張ってほしい」と、卒業生に温かいエールを贈った一方で、春の 大会を前に現役には「今のままでは予選を突破することも難しい。 (一次予選の)初戦、錦城学園は埼玉の和光に立派なグランドを持っ ていてしっかりした練習をしている。(勝てば当たるとみられる) 墨工(都墨田工業)もそうだが、いずれも去年の春は予選から本大会 に出ているし全く侮れない」と、きつい口調で檄を飛ばしました。 その上で、「予選を勝ち上がり、(本大会4回戦で)何としてでも帝京 の伊藤投手が投げる150キロの球を打とうじゃないか!」と、最後は 一同に発破をかけました。

 ところで、学院野球部が置かれている現状は極めて厳しいものが あります。と言うのも、中学部創設で敷地内の校舎建替え工事が始 まっている影響もあってグランドをまともに確保出来ない、(OB会と 同様に)慢性的な資金不足から道具を購入するのも一苦労、さらに ・・・難題、課題が山積で指導者は非常に頭が痛いでしょうし、 肝心の選手は不安を抱えたまま大会を迎えるのではないでしょうか。 とはいえ、この冬場に取り組んできた筋力トレーニングが功を奏し、 この春の大会第3シードの強豪校、成立学園と先日行った練習試合 では競り勝ちました。

 個々の選手の潜在能力が高いのは今年も同じで、ここ数年の学院は その能力をどうやって伸ばし、そしてどうやって引き出してあげるか、 がポイントです。そうした意味でも木田監督は必死に知恵を絞って 選手を強化し、あるいは自ら強豪校を回って練習試合のセットに 努めたりと、行動力には頭が下がります。ご存知の方も多いと思い ますが、昭和50年卒の木田監督は一昨年の秋から学院で指導され、 昨秋の大会を終えて松橋・前監督からバトンタッチ、仕事を3年間 休職して監督業に専念し学院の甲子園出場を目指してくれています。 それだけに現場での情熱は並々ならぬものがあり、選手達もその意気 込みを肌で感じているだけに数々の不利な環境もハングリー精神に 変え爆発してくれるものと期待したいところです。

 新しく24人のメンバーを加えた学院野球部OB会が後輩達に何をして あげられるのか、サポート体制も真剣に構築しなければならない時期 が来ています。昨年開催しました60周年行事でも、はたまた2月に行っ た佐々木茂氏(S60卒)の大阪転勤送別会でも、大勢のOB会員の方々に ご参加頂きました。そこでは皆さん学院野球部の現状を危惧され、 どうにかしなければならないとの思いを一つにしてもらったと思います。 事務局としましては大変ありがたいことですが、実は我々が出来る ことはわずかです。お一人でも多くの方から会費を頂戴し、有益な 形で野球部を支援していくこと、今後ますます悪化するグランド環境 を改善するべく代替地の確保に向け協力すること、あとは優秀な選手 の発掘などです。

 学院野球部OB会は現在600人を超す大所帯となりました。"甲子園出場" という悲願は誰しも共通の夢でしょう。その全OB会員の夢に向かって、 全会員の後輩である現役選手が今必死に取り組んでいます。お伝えした 通り厳しい環境の中ででも、彼らは日々目を輝かせて頑張っています。 22日(月・祝)の午後零時半(第2試合のため前後する可能性があります)、 前述しました錦城学園戦から学院の2010春がスタートします。一次予選 の2試合は堀越の球場(詳細は当HP「試合情報」に掲載)で場所は高尾 と遠いですが、どうか後輩の勇姿を見に足を運んであげて下さい。 いつもお越し頂ける方のみならず縁遠くなってしまった方も、どうか 母校が危機的状況を迎えている現状をご自身の目や耳で感じて頂きた いと思いますのでよろしくお願いします。そして、個々人が出来ること を野球部にフィードバックして頂けたら、本当に幸いです。



2010.03.18
(文責:広崎正隆 S63卒)