2010"ニッポンの夏"開幕展望
〜木田・学院丸の船出は如何に?!〜 2010/07/09





 昨秋就任して初めての"夏"を迎える木田茂監督(S50卒)。調布リトルリーグ 時代はエースとして世界制覇し、学院入学後もその才能を存分に発揮して活躍される など百戦錬磨の経験の持ち主とはいえ、指揮官としては本番の大会を前にさぞかし 緊張感に包まれていることだろうと、先日取材してきました。しかし、そんな心配は どこ吹く風・・・でした。木田監督はこの夏の戦い方、もちろん西東京決勝戦までを 見据えたプランを持っている上、空いた時間を利用して来年の戦力となる中学3年生の 情報収集にも余念がありませんでした。皆さん、ご安心下さい!

 さて、学院の初戦も目前に迫って参りました。現在は例年と変わらず期末試験中で 非常に厳しい環境に選手達は置かれています。試験は13日まで続くため、確実に 11日の都秋留台戦はかぶってしまいます。ただ、それでも負けたら終わり、言い訳 にもなりません。学生の本分である勉強もこなしながら、選手達、特に最後の大会と なる3年生は短い練習時間の中でも1球1球に真剣に取り組んでいます。

 先日、練習試合の最終戦が江戸川球場で行われました。相手は都立の中でもここ数年 安定的な成績を残し、名実ともに実力校の都小山台。ナイターでの一戦は、4−3で 学院が勝利しました。春の大会で日大桜丘に0−1で敗れて以来、1点にこだわって きた木田野球がここでも成果を発揮した形でした。ただ、その前提として投手を中心 とした守備が崩れないこと。守りで余計なミスをし、それが失点につながるようなことが あれば、1点差での勝ちなど土台無理な話です。

 今大会は、主戦の千葉投手を筆頭にベンチ入りした投手陣は5人。今年の春先は怪我 人もいて計算しづらかったですが、5月の大型連休過ぎ辺りからでしょうか、全員揃って 次第に調子が上がってきました。これには、1年生ながらベンチ入りした田中投手の 存在も大きく影響していると言えます。中学生当時、所属していた青葉緑東シニア リーグで全国大会とジャイアンツカップに出場、その実績を引っさげて入学してきま したが、野球部入部後すぐさま頭角を現し、3年、2年の先輩達もうかうか出来ない 状況へと結果的に追い込んでいったわけです。もともと先輩投手陣も力のある選手でした から、尻に火が付けば一気に好転することは分かっていました。チーム内で競争が 生まれたことでレベルが上がることは言うまでもなく、それは野手陣にも波及して いきました。投手が頑張って放っているのにミスをするわけにはいかない、まさに 木田監督が掲げた「1点へのこだわり」、相手に無駄な点をやらない堅実な野球スタ イルが確立されていったわけです。

 一方で攻撃面も、その"こだわり"からどうやって点を取っていくか、状況に応じて 選手達が考えられるようになってきました。バントやエンドランという目に見える 戦術は当然のこと、相手投手、相手バッテリーとの駆け引きでも、束になってかさに かかって攻略するチーム力が向上しています。こうして、相手は甲子園常連校であろ うがどこであろうが練習試合は負けない、それも1点差ゲームという緊張感ある中で 勝っていくという実績につながっていきました。その結果、学院の選手達は皆、自信を 深めています。

 学院の組合せは決して楽なブロックではありません。初戦を突破しても、都立の実力 校や第3シードの八王子、第4シードの東亜学園などが我こそはと控えています。うまく 試験期間と重なる1、2回戦を乗り切り、試験から解放されてチーム全体がエンジン全開 となっていけば、今年も台風の目になっていくことは間違いありません。初戦は日曜日、 3回戦は土曜日、準決勝も土曜日と、比較的曜日にだけは恵まれています。学院野球部 OBは今や700人近くに膨れています。国内外でどうしてもご覧になれない方には 専用の実況中継メールもありますが、東京及び近郊にお住まいの方はご家族連れでも 大いに歓迎致しますので、どうか直接球場に足をお運び下さい。4回戦までは新しく 改装された昭島球場で、5回戦(準々決勝)以降は神宮球場となっております。皆様の 熱い熱いご声援を、何卒よろしくお願いします。



2010.07.09
(文責:広崎正隆 S63卒)