2010夏初戦(vs都秋留台)観戦記
〜さあ次からは試験も終えて全開だ!〜 2010/07/11





 昨秋の関東一戦、今春の日大桜丘戦、いずれも不完全燃焼で終わった学院ですが、 いよいよ最後の戦いが始まりました。初戦は都秋留台、全く相手の情報がないまま 迎えた一戦は、後半打線がつながり8−1の7回コールド勝ちを収めました。

 それにしても、やはり初戦の緊張感からか、はたまた試験期間中の試合だからか、 ほぼ全員体の切れが鈍く、シートノックから今一つでした。初回の攻撃で、4番の 玉置選手の一打はレフトの頭を越えた!と思われましたが、伸びがなく結果定位置 やや後ろで捕球されてしまう、一方で主戦千葉投手の立ち上がりはきっちり三者凡退に 打ち取るも本来の球威や制球力にはほど遠く、スタンドに陣取った大勢のOB会員や ご父兄、関係者の皆さんも不安がよぎったのではないでしょうか。小林淳氏(S60 卒)の、「いい試合になるんじゃないか」という試合前の予感が的中するのではと 思えたほどでした。

 「春も1点に泣いた。とにかく先制点が大事だった」(木田茂監督 S50卒)、 学院が挙げたこの夏の最初の1点は、何とスクイズでした。2回表での策に、周囲 からは驚きの声も上がっていました。しかし、「1点へのこだわり」を掲げる木田野球 では十分考えられる戦術だったと言えます。確かに、取れそうで取れない展開を数多く 経験してきた学院だけに、着実に点を取っていくことは大切なことです。願わくば、 まだ続くチャンスにあと一本出ていれば一気にいけたかもしれませんが、そこは今後の 課題でしょう。何せ、序盤の硬さは如何ともし難いものでした。ただ、3回裏に追い つかれたあたりからようやく選手たちが普段の動きを取り戻し始め、以降は4回に 2点、5回に3点、6回に2点と着実にチャンスをものにしていきました。特に、 同点にされた直後の4回表、先頭の柴田選手がうまくライト線に放ち、相手守備が もたつく間に三進、続く森田選手が一、二塁間を破るタイムリーで嫌な空気を払拭した のは大きく、さらに5回には二死満塁で押し出しの後、「勝負強いから迷わず起用した」 (木田監督)代打の永野選手が見事ライト前に2点タイムリー!采配もズバリ当たり、 ベンチも押せ押せとなりました。

 一方、守備については、調子が悪いなりにも千葉投手が4回まで1失点でしのいで いましたが、5回裏いきなり足をつるアクシデント。急きょスイッチした渡辺投手が 一死1、2塁のピンチを招いたものの、4−6−3の併殺で切り抜けたことで勝利を 事実上手中に収めたと言えます。7回は小野投手が3人でピシャリと締めコールド、 3人の投手リレーで結果的には被安打4でした。ただ、千葉投手の足の状態だけは 気になるところです。木田監督も試合後、「緊張や責任感があったのかもしれないが これから次第に強豪校と当たるだけに心配だ」と、不安を隠しきれない様子でした。 試験と重なり極度の疲労が溜まっていたとはいえ、何とか次の試合までに復調して ほしいものです。

 無事に初戦を乗り切り安堵感が広がる中、岸主将は「勝ったのは通過点でよかった ですが、投手陣のリズムがいまいちで今日はボールが多かったです。もっと打たせて 取る形を次からは心掛けます。攻撃面もランナー出てからのあと一本が序盤になかった ため、2回戦までの間にきっちり調整します」と、勝って兜の緒を締めていました。また、 「今日のチームの出来は60点。自分自身も次は盗塁を許さない、チャンスに回れば 絶対に一本打ちます」と、自らを鼓舞するかの如く厳しく試合を振り返っていました。 2回戦は、都福生を7−5で破った都保谷との一戦となりますが、その都保谷戦に向けて 木田監督は、「1回戦を13安打し勢いのあるチーム。非常に手ごわいが、うちはしっかり 守って少ないチャンスを確実に生かしていく戦い方しかないのでそれを実践するのみ。 頑張りますので応援よろしくお願いします」と、気合いを漲らせていました。

 何はともあれ、学院にとっては期末試験と並行して行われるこの時期、選手達は心身 ともに疲れていることは事実です。そんな中、確実にコールドで相手を退けたことは 大きな成果で、チームに弾みが付いたことは間違いありません。ただあえて言うなれば、 攻守ともに状態が悪いときにどうやって点を取るか、主導権を握るかがまだまだ未成熟 です。この試合でも目立ちはしなかったものの走塁に関してはもっと貪欲になるべき でした。大会の度に繰り返し指摘していることですが、リードの小ささや一瞬の判断、 さらには相手守備陣形の分析等、もっと頭を使った野球をしていれば自らを楽に、相手 には苦にさせることが出来ます。試合を経るごとにそうした点も改善されていくことを 願いながら、2回戦以降も期待したいと思います。

 なお、次の試合は14日の12時半(第2試合)に変更となっています。平日のため なかなか社会人OBは厳しいと思いますが、昭島球場に駆けつけて下さる方はくれぐれも お間違えないようにお願いします。最後になりますが、日曜日だったこともあって 初戦は本当に多くの方々に応援頂きました。ありがとうございました。 引き続き、後輩の躍進をともに見守りましょう!



2010.07.11
(文責:広崎正隆 S63卒)