祝・ブロック予選突破!
〜平成24年秋の大会本大会代表決定戦観戦記 (VS青山学院戦)〜 2012/10/05





 2012/09/22(土)、前夜からの雨もなんとか収まり、桐朋高校選手諸君の懸命な整備の おかげでグラウンド状態もさほど悪くない中での第12ブロックA代表決定戦が行われました。 「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通り前週の酷暑が嘘のような涼しい気温の中、 2年ぶりの本大会出場を賭けて青山学院と激突いたしました。

 青学チームはやや小粒ながらキビキビとした積極的なプレーで難敵桐朋を下して勝ち 上がってきており、決して侮れる相手ではありません。案の定、と言っては叱られるかも しれませんが序盤は苦しい展開となりました。

 初回、先攻の学院は先頭菊池の右翼線二塁打、二番米澤の送りバントが安打となり、 無死一・三塁のチャンス。一気に大量点も予感させましたが、続く高橋が5−4−3の併殺 でしかも三塁走者動かず。「2つアウト取られるより三塁走者は突っ込む(与えるのは 一死のみとする)べきでは?」などの声もネット裏で囁かれ、一転して嫌な雰囲気が 漂いましたが、四番丸山が豪快に左越え二塁打を放ち1点を先制。観戦していたOB達は 一様に安堵の表情を浮かべていました。

 しかしそれも束の間、2試合連続で先発を任された新田が安定しません。ボールが先行 する苦しい投球で四球からチャンスを作られ適時打と失策で初回にあっさり逆転を許して しまいます。コントロールに不安があるためか、自慢の快速球も鳴りを潜めとても苦心 している様子でした。2回は立ち直ったかに見えましたが3回に再びピンチを招き、 たまらず木田監督は二番手佐野にスイッチ。しかし併殺崩れでモタついている間に1点を 追加されてしまいました。

 投球のリズムは守備や攻撃のリズムにも大きな影響を与えるものです。立ち上がりの 安定感、足元がぬかるんだマウンドでの投球術など、難題ではありますが1年生の秋に これら重要課題をその胸に刻むことが出来たことは、新田投手にとってむしろ良かった のではないかと思っております。本大会やその先まで、今後に期待したいです。

 一方打撃陣は2回の二死満塁のチャンスを逃した後、3・4・5回を実質3人で攻撃終了。 青学の投手は球速こそないものの、カットボールのような微妙に変化する球で学院 各打者の芯を外していました。まずいな…。ネット裏応援席に嫌な空気が流れます。 しかし6回、ようやく学院打線が目覚めます。中軸が粘って四球を選びエンドラン、 セーフティスクイズ、適時打と多彩な攻めを見せて一挙5点を奪取し逆転! 雪谷戦も然りですが、決して打力に頼りきらずに相手の嫌なところを突いてチャンスを ものにする、という木田野球の真骨頂を見た気がしました。連打・豪打の派手さは ないものの、勝ち進むための戦術とそれを実行できる実力がこのチームにはすでに 備わっていると感じました。

 さて投手に話を戻しますと二番手佐野が素晴らしい粘りの投球をしてくれました。 外連味のないスイングをする青学打線に時折長打を打たれるものの、丁寧なコーナー ワークで踏ん張ります。この粘りが野手のファインプレーも呼び込み、結局4回以降を 1失点に抑えてくれました。小柄ではありますが無駄のない美しいフォームと安定感は 秀逸で、今後冬トレなどで体力・筋力をより向上してくれたら一体どんな投手に なるのだろう、と期待せずにはいられません。新田・佐野という1年生2枚看板は、 来年以降を見据えても非常に楽しみな存在と言えるでしょう。

 結局試合は9回にも相手のミスをうまく突いて2点を追加し8対4で勝利しました。 完勝、快勝とは言い難いものの、しっかりと本選への切符を掴み取ってくれました。 劣勢でも慌てることなく各自の仕事をしっかりこなし勝利する。なんとも頼もしい 戦いぶりでした。木田監督ならびに選手諸君、本選出場おめでとうございます。

 既に本大会の抽選が行なわれ、1回戦は都小山台との対戦が決まっています。 初戦から容易い相手ではありませんが必勝を祈願し一丸となって応援しようでは ありませんか!それでは皆さん、10月6日(土)に神宮第二球場でお会いしましょう!



2012.10.05
(文責:小林淳 S60卒)