Vol.112 平成26年度 夏の大会初戦 vs都府中工 2014/07/12




 台風8号も過ぎ去り、快晴の空のもと絶好の野球日和となった八王子市民球場で 今年の早大学院の甲子園に向けた挑戦が始まった。

 初戦の相手は府中工業高校。毎年のようにきっちりいいチームを作ってくる印象がある。 それは試合前のアップを見ていてもわかるように足が揃い、声が出る、まさに高校野球に ふさわしいチームである。一方、早大学院のメンバーも、試合前、笑顔が見られるなど 非常にリラックスしている印象を受けた。

 試合は府中工業が先攻、早大学院が後攻で始まった。

 早大学院の先発はエースの新田投手(3年)。1年生の夏から公式戦では登板しており、 実践経験が豊富な投手である。

 1回表、新田投手(3年)は危なげなく3人で打ち取ると、1回裏、打線がさっそく 新田投手の好投に応える。

 1番の俊足巧打菊地選手(3年,主将)がいきなりライト前ヒットで出塁、2番青木選手(2年)が きっちり初球で送りバントを決める。そしてここから早大学院の誇る破壊力抜群の クリーンアップである、3番小菅選手(2年)の当たりは高いバウンドのセカンドゴロ。 しかしセカンドが後ろに弾き、その隙を見逃さず、菊地選手がホームイン。 幸先よく1点を先制する。

 援護を受けた新田投手(3年)は2回、3回とパーフェクトに抑え、相手に流れを渡さない。

 3回裏、早大学院はまたもや1番菊地選手(3年)がショートゴロエラーで出塁、 すかさず盗塁を決め、牽制悪送球の間に三塁まで進む。2番青木選手(2年)は 四球で歩き、3番小菅選手(2年)がきっちりレフトへ犠牲フライを打ち上げ、 追加点を奪う。そして続く打者は主砲4番中村選手(3年)だったが、ここは サードゴロダブルプレーに倒れてしまった。

 4回表、新田投手(3年)はツーアウトから初ヒット(ライト線への二塁打)を浴び、 府中工業の4番を迎えた。ここで打たれると流れが相手に傾く可能性もあったが、 圧巻のストレート勝負で見逃し三振に仕留める。

 一方で、4回裏にも早大学院は1アウト2,3塁というビックチャンスを得たが、 相手投手が踏ん張り得点はならなかった。

 しかし新田投手(3年)は5回表を3人で抑えて再び流れを呼び込むと、その裏、打線が応える。 この回から相手投手が交代し出鼻を挫きたいところで1番菊地選手(3年)が死球、 すかさず盗塁を決める。2番青木選手(2年)にも四球を与えたところで、府中工業は 投手を交代するが、すでに流れは早大学院。3番小菅選手(2年)の送りバントは何処にも 投げられず、ノーアウト満塁という絶好の機会に4番中村選手(3年)が打席に入る。 ここでしっかりライト前にヒットを放ち、4番の役割を果たした。続く新田選手(3年)も きっちりセンターへ犠牲フライを放ち4対0とリードを広げた。

 6回表、新田投手(3年)は先頭の8番打者にセンターへの二塁打を打たれ、犠飛の後、 内野ゴロの間に1点を返される。しかし、後続を落ち着いて打ち取り、流れを渡さない。

 今年の早大学院は取られたら取り返すが信条で、その裏、すぐさま反撃に転じる。 先頭の8番永木選手(2年)はライト前ヒット、9番小野寺選手(3年)がきっちり送り バントを決め、頼りの1番菊地選手(3年)を迎える。菊地選手が放った打球は ボテボテのサードゴロだったのだが、ここでサードが一塁に悪送球、永木選手(2年)が 生還し5対1、再び4点差とした。

 7回、8回と新田投手(3年)はきっちり三者凡退で打ち取ると、8回裏、1アウト後、 1番菊地選手(3年)が四球、すかさず盗塁を決めると、続く2番青木選手(2年)が ライト前ヒットを放ち、菊地選手(3年)がホームイン、ライトが後逸する間に 青木選手(2年)も三塁まで進む。3番小菅選手(2年)もセンター前へタイムリー、 センターが弾く間に二塁まで進む。そして4番中村選手(3年)を迎える。 春の大会1回戦での9回の同点ホームランのように幾度となく勝負強い打撃を 披露してきた男は、今日の試合でも終止符を打った。結果は、レフトオーバーに 打球を運び、セカンドランナーが生還。見事8回コールドゲーム、8対1で勝利を収めた。

 この試合、早大学院が放った安打は6本であったが、相手のエラーを見逃さず、 しっかり突いたということが1つ勝因にあげられる。また、新田投手のテンポの よい投球、1番菊地主将の全打席出塁、中村選手の4番としての働きは、チームに とってこれからの夏を戦っていく上で1つのポイントになったのではないか。

 次の相手は接戦で勝ち上がった佼成学園であるが、初戦の勢いそのままに勝ち進んでくれると信じている。  がんばれ、学院!



2014.07.12
(文責:石森大輝 H26卒)