Vol.120 平成27年度 春大会初戦 vs郁文館 2015/04/04




 府中の空はあいにくの雨、夏の大会のシードをかけた学院野球部の戦いが始まった。初戦の相手は 郁文館高校、一昨年の秋に日大三高をブロック予選で下している強豪でありコントロールのよい左腕 を3人揃える非常にいいチームだ。

 学院の先発は背番号10柴田投手(2年)。昨秋の大会で二松学舎大学付属との延長15回を投げ抜いた 嵯峨投手(3年)とのダブルエースであり、昨年から公式戦に登板してることもあって実戦経験も豊富だ。 試合前に話を聞いてみると、普段通り丁寧に投げますと力みのない答えが返ってきた。

 しかし初戦はそんな簡単には運ばない。簡単に2死を取るものの3番にセンターオーバーの二塁打を 打たれ、4番打者のレフトオーバーの二塁打で1点の先制を許してしまう。

 しかし、先制を許したくらいでは今の学院野球部はジタバタしない。その裏、相手先発の左腕投手に 対して1番青木選手(3年)が四球を選び初球盗塁でチャンスメーク。2死1,2塁となり打席に入るのは5番 太田選手(2年)。変化球に食らいついた打球はライト前タイムリーヒットとなり同点、さらに6番勝本 選手(3年)のセンター前タイムリーヒットですぐさま逆転に成功する。

 さらに続く2回裏にも、8番久永選手(3年)と9番柴田選手(2年)の連打を足掛かりに1死満塁のチャンスを 作ると3番小菅選手(3年)のライトオーバーの2点タイムリー二塁打、さらに続く4番佐藤選手(3年)の打席で 代わったばかりの相手投手が2球連続のワイルドピッチ、この回4点のビッグイニングを作り試合を優位に運ぶ。

 しかし、試合前に降っていた雨による寒さも影響してか柴田投手のエンジンがなかなかかからない。 3回表先頭の1番にレフト線二塁打を許し、1死3塁となり、最初の打席でセンターオーバーの二塁打を放って いる3番を迎える。ここでセンター前のタイムリーを許し1点を返される。続く4番に繋がれると嫌な流れに なりそうだったが、ここはさすがの柴田投手、4-6-3のダブルプレーで最小失点で切り抜ける。

 学院野球部も負けじと4回裏、1死後最初の打席で同点タイムリーを放った5番太田選手のライトへの 本塁打で追加点をあげる。この場面を太田選手に振り返えってもらうと、甘い変化球を狙っていたので しっかり捕らえられて良かったとのコメントが返ってきた。それにしても甘い球を1球で仕留める集中力は 素晴らしい。

 さらに続く5回裏にも2死後、1番青木選手のレフト前ヒットを足掛かりに2,3塁のチャンスを作ると 3番小菅選手に2打席連続となるレフト前2点タイムリーヒットが飛び出す。小菅選手は今日4打点の大活躍だ。 試合後小菅選手に話を聞くと、1・2番がつないでくれたチャンスなので自分で決めるしかないと思った、 崔助監督に初球から行けと言われストレートだけ狙って打席に立ったのがよかったとコメントが返ってきた。 実に頼もしい3番打者である。

 その後5回表に四球絡みで1点を失うも7回3失点で先発の役割を果たした柴田投手に登板を振り返ってもらうと、 調子は普通だったのだが、相手のキーマンとなる3番打者の配球をもう少し考える必要があった。また点を 取られた後は気持ちの切り替えを意識し、いつにも増して低めの意識を強く持ってゲームを作ることを 心がけたと話してくれた。

 郁文館高校の3番目に登板した変則左腕に手を焼く学院打線は7回裏、ここまで好投の柴田選手に代え、代打 田中選手(3年)。自慢の脚力を存分に発揮し3塁へのセーフティバント。これを足掛かりに2死2,3塁のチャンスを 作るも4番佐藤選手(3年)がライトフライに倒れ、この回でのコールドとはならなかった。

 8回表、学院のマウンドには背番号11の斎藤投手があがりこの回を0に抑えると、その裏1死後、6番勝本選手の 一ゴロエラー、7番途中出場宮崎選手(2年)のレフト前ヒットなどで1死1,3塁のチャンスを作り打席には8番久永 選手(3年)。なんとしてもあと1点とりコールドで試合を決めたい学院野球部。ここで木田監督が1点に対する 執念を見せる。なんと初球スクイズ。見事に成功し10対3の8回コールドで勝利を手にした。

 昨秋の大会で二松学舎大学付属に1対0でサヨナラ負けを喫して以来、このチームは1点に対しての意識が 他のチームとは比べものにならないくらい強いのではないかと思われる。コールドを決めた久永選手の スクイズしかり、接戦をものにできる力が今の学院野球部にはある。

 次は都立福生、都立高島という強豪を倒して勝ち上がってきた岩倉高校との一戦だ、一戦必勝でガンバレ学院野球部!!!



2015.04.04
(文責:石森大輝 H26卒)