Vol.122 平成27年度 春大会四回戦 vs早実 2015/04/12




 遂に迎えた運命の早早戦。

 この春から早実にはリトル、シニア時代に強打者としてならした清宮選手(1年)が入学したこともあり、 八王子市民球場は3試合目にも関わらずたくさんの観客でごったがえし、さらに両チームのスタンドには 春には珍しく吹奏楽部を招き入れ、両チーム紺碧の空などが歌われるといった試合前の応援合戦も加熱した。

 その異様な雰囲気の中始まった2013年夏以来の早早戦は、先攻早実の打線が初回から猛打をふるう。

 早大学院の先発は嵯峨投手(3年)。満を持して背番号1がマウンドに立った。嵯峨投手は昨秋の大会で 甲子園に出場した二松学舎大学付属を延長14回まで0に抑えた早大学院の絶対的エースであるのは説明 するまでもない。しかし、慎重になったのか、先頭の1番金子選手に四球を与えると、2番玉川選手は 送りバント、いきなり注目の1年生、3番清宮選手にはライト線に運ばれる。これがタイムリーツーベース となり先制を許すと、続く4番加藤選手にもライト前タイムリーヒットを許す。嵯峨投手としては、 ここで勢いを止めたかったが、さらに早実は四球とヒットでチャンスを拡大、7番渡辺選手さらに8番 山田選手に連続2点タイムリーを打たれ、6点を失う。

 ここで早大学院は投手交代、背番号10の柴田選手(2年)にスイッチする。嵯峨投手は1アウトしか取れず 無念の降板となってしまった。柴田投手はその後1死満塁のピンチを招くもののここは切り抜ける。しかし あまりにも重すぎる初回の6失点、学院野球部は早実先発の宮崎投手から反撃の糸口を掴むことができるの かがポイントとなった。

 しかし、2回までセンター方向へのいい当たりはたくさんあったのだが、早実の守備のうまさが勝り、 なかなかヒットが出ない。

 そんな中この大会中、粘り強い投球で好投し続けてきた柴田投手にも早実打線が襲いかかる。 3回表、先頭の7番渡辺選手が四球で出塁する。2死までこぎつけたのだが、ここで1番金子選手にライト前 タイムリーヒット、さらに死球とセカンド内野安打で満塁のピンチを招くと、4番加藤選手センターへの 2点タイムリーヒットを打たれこの回3失点、9対0とリードをさらに広げられる。

 なんとか一矢報いたい学院野球部はその裏、1番青木選手(3年)が四球を選ぶと、2番金子選手(3年)の 初球で青木選手が盗塁、金子選手のレフト前タイムリーで1点を返す。しかし、続く3番小菅選手(3年)が ファーストゴロダブルプレーに倒れ、追加点とはならなかった。

 5回表、早実はこの回先頭の3番清宮選手がライト前ヒットをで出塁すると、打席には4番加藤選手。完璧に とらえた打球はライトへの2ランホームランとなり11対1、事実上とどめを刺される。次打者に四球を出した ところで早大学院は背番号11斎藤投手(3年)にスイッチ、2死満塁のピンチを迎えるもここは踏ん張り2失点で 切り抜ける。

 このままでは5回コールドの危機となる学院野球部はその裏、この回から交代した松本投手を攻める。 先頭8番宮崎選手(2年)がレフトオーバーに放ったツーベースを足掛かりに1死1・3塁のチャンスを作ると 2番金子選手の初球スクイズでかろうじてコールド負けを逃れる。

 その後両チームともチャンスを作るもののあと1本が出ず、7回裏学院野球部の攻撃を迎える。この回から 早実は投手を背番号20の1年生の服部投手に交代、逃げきりをはかるが、学院野球部は粘りを見せ、 先頭の7番久永選手(3年)のセンター前ヒットを足掛かりに2死2・3塁のチャンスを作る。しかし、最後は 今日チームの全打点をあげている2番金子選手がセンターフライに倒れ万事休す、11対2、7回コールド ゲームが成立し、学院野球部の挑戦はベスト16という成績で幕をおろした。

 夏の大会にむけて、多くの課題を痛感した試合であったが、シード権をしっかり獲得したということは 連戦の続く夏にむけての大きな第一歩を踏み出したといえよう。また、一冬越えて学院野球部は確実に 成長していることがうかがえた。それはなぜかと言えば、今回のベンチ入りには岡部選手(3年)、古川 選手(3年)、清水選手(3年)のように、冬を越えて成長し新たにメンバーに入った選手もいれば、今日 サードで再三好守をみせた久永選手、大会中に4番に定着した太田選手(2年)など秋に主力だった選手も 確実に力をつけ選手間での競争も盛んとなっている。また投手陣も嵯峨投手、柴田投手、さらには斎藤 投手の右腕3本柱がこの大会を通じて非常に安定した投球を続けていたことも連戦の続く夏にむけての 大きな収穫である。

 まだまだこれから、最後のラストサマーに甲子園出場という大輪の花を咲かせるであろう硬式野球部を これからも応援し続ける。

ガンバれ学院野球部!!!



2015.04.12
(文責:石森大輝 H26卒)