Vol.129 平成27年秋の大会
本大会2回戦観戦記 vs 岩倉
2015/10/18





 昨日までの雨が嘘のような神宮第二球場、早大学院対岩倉高校の試合は始まった。

 早大学院の先発は背番号10岸本投手(2年)。新チームがスタートしてからメキメキと頭角を表し、木田監督が期待を寄せる投手の一人である。 初回、公式戦初登板の緊張からか先頭打者に四球を出してしまうものの続く打者をセカンドゴロダブルプレーに打ち取り0に抑える。

 その裏、1番大石選手(1年)が四球を選ぶと2番後藤選手(2年)が確実に送りバントを決め、3番浦野選手(1年)がライト前ヒットでチャンスメイク、 打席には好調4番太田選手(2年)が入る。ここで初球セーフティスクイズ、タイミングはアウトだったが3塁ランナー大石選手がうまくキャッチャーの タッチをかいくぐり1点を先制する。

 しかし、岸本投手が捕まる。3回表、先頭の8番打者にレフト前ヒットを許すと、9番の送りバントを岸本投手が2塁へフィルダースチョイス。 その後1アウト2・3塁となり2番打者にライト前同点タイムリーヒットを打たれてしまう。さらに1アウト1・3塁とピンチが続くがここで岸本投手が 魅せる。3番打者はストレートで見逃し三振、4番打者をサードゴロに打ち取り最小失点で食い止める。

 粘る岸本投手を援護したい打線は4回裏、先頭の6番内海選手(2年)がライトフェンス直撃のスリーベースヒットでチャンスメイク、1アウト後 8番平塚選手(2年)のところで木田監督が動く。前の試合でホームランを放っている柴田選手(2年)を代打に起用、誰しもが強攻策と思われた2球目、 意表をつくスクイズ、これが決まり勝ち越しに成功する。

 岸本投手は4回以降緩急を駆使した持ち味の打たせて取るピッチングを披露。岸本投手の話では「自分は球が速いわけではないので、低めに 丁寧に集めることを常に意識している。序盤は緊張していたが4回以降は自分の持ち味の打たせて取るピッチングができたと思う。」と話してくれた。

 打線は6回裏、2アウトから6番内海選手、7番磯部選手(2年)の連打で久しぶりのチャンスを作ると打席には期待の8番柴田選手、 しかし力んでしまったのかサードゴロに倒れ追加点が奪えない。すると岩倉高校が反撃に出る。疲れが見え始めた岸本投手は7回表、 1アウトから連打を許し2アウトながら2・3塁のピンチを招いてしまう。しかし2番打者のタイミングを外しセンターフライ、 絶体絶命のピンチを脱する。

 そんな両投手が粘り、接戦となったこの試合にケリをつけたのは頼れる主砲の一振りだった。

 8回裏、1アウト後、4番太田選手の放った打球は快音を残しライトスタンドギリギリに入るホームラン、3対1とリードを広げる。

 公式戦初先発初完投が見えてきた岸本投手だったが、岩倉高校も粘る。9回表1アウト後、8番打者にレフトオーバーの ツーベースを打たれるも最後の力をふり絞り後続を抑えゲームセット、3対1見事勝利をおさめ2年連続ベスト16進出を決めた。

 試合後木田監督に話をうかがうと、 「相手投手がよかったので僅差の勝負になると思われた。なのでコツコツ点を積み重ねていくことを意識して作戦を立てた。 それが2度のチャンスを確実にものにするためにスクイズという選択となった。何よりも嬉しい誤算だったのは、岸本投手の 完投と粘り強いピッチングを支えた浦野捕手の頭脳的なリードだ。今日はこれに尽きる。」

 次戦はベスト8をかけ関東一高との一戦だ。関東一高は旧チームのような派手さはないが基本に忠実なプレーをして 勝ち上がってきている。力まず学院の持ち味である粘り強い野球で勝利してほしい。

ガンバれ学院野球部!!!



2015.10.18
(文責:石森大輝 H26卒)