Vol.133 平成28年夏の大会3回戦 vs都成瀬 2016/07/14




 33度にもなる真夏の炎天下の中、都立成瀬高校との三回戦は多摩一本杉球場で行われた。 この暑さのせいなのか、試合前の選手には少し元気がなく感じられた。

 この日の先発は2年の左投手内田。小柄ながら小気味よいテンポと制球が売りの投手である。 しかし今日はワンアウト後にライト前に運ばれ、さらにその後タイムリーを浴び初回から 先制されてしまう。

 その裏、取られた点を返すべく打席に立った3人の打者は、低めの変化球に翻弄されて あっさりと3人で攻撃終了。晴れ渡っていた空には学院の試合を象徴するかのように雲が 多くなり始めた。その後もランナーが出ても打線がつながらずゼロ行進。三回には ツーアウトからヒットとフォアボールで出したランナーをレフトオーバーで返され、 3点のビハインドの展開となってしまった。

 しかし、その裏、8番内海(3年)のツーベース、9番磯部(3年)のセンター前で なんとか一点を返す。また、4回から投手は若汐(2年)に交代。ランナーは出すものの、 夏大初登板を無難に立ち上がり、5回の守備を三者凡退に打ち取ると、ようやく学院にも 流れがくる。5回裏、ツーアウトから1番宮崎(3年)がツーベースで出塁すると、 そこから打線がつながり2点を返して試合を振出しに戻す。

 この後は7回まで両チーム0が続き、8回の表、先頭バッターにフォアボールを与えたところで 木田監督は動く。エース柴田迅(3年)の登場である。もちろん満を持した形ではない。柴田が 引きずり出される展開になってしまったのだ。抑えはしたものの、柴田はまだ力が入っている 様子で、本調子ではない印象であった。

 8回の裏、ツーベースとバントヒット、フォアボールなどでノーアウト満塁のチャンス。 学院の強さを遺憾なく発揮するべき場面。打席には柴田。フルスイングした打球は... あろうことか投手の前を転々と。当然ホームに送球し、キャッチャーはファーストへ... 万事休すかと思えたが、この送球が悪送球となってしまい、2塁ランナーが生還。 ただ、この回、相手のエラーでもらった1点で終わってしまった。

 柴田は9回、粘られるも3人で抑え、苦しい試合をなんとか競り勝ち、無事に4回戦進出 を果たした。

 勝ちはしたが、今日の試合はとても褒められたものではない。私立の強豪として少なからず 注目されている学院が、このような試合運びをしたのである。このような書き口になって恐縮だが、 選手の気概、「やってやろう」という意気込みが見られなかった。

氷河期時代と言われながらも、コツコツと努力を積み上げ、強豪として注目されるレベルになった。 しかし、学院野球部が求めているものは注目ではない。勝利ただ一つである。選手の悔いが 残らない夏にするためにも、次戦からは一層の相手を潰しにかかる気概と、それを証明する 学院の強さを見せてほしい。

 ガンバレ学院野球部!!!



2016.07.14
(文責:山本修平 H26卒)