Vol.146 平成30年春の大会3回戦 vs桜美林 2018/04/08




 4月8日、少し肌寒い天気の中春季大会三回戦は行われた。対戦校は秋季大会で、 二松学舎を破った桜美林高校である。

 学院の先発は佐竹、桜美林の先発はストレートとチェンジアップのコンビネーションで 勝負してくるタイプの左投手であった。

 一回戦、二回戦と序盤に先制点を奪えず、中盤から終盤にかけて苦しい展開となっていた学院だが、 三回戦では序盤に先制点を奪うことに成功した。まずは初回、先頭の木屋(3年)が右中間に三塁打を 放ちチャンスを作る。その後一死三塁となって、この日は3番に入った新井(3年)が前進守備を敷いて いなかった内野にきっちりゴロを転がし、簡単に先制点を挙げた。

 一方、先発の佐竹(3年)は初回から4回まで毎回走者を背負うも無失点と、序盤は粘りの投球で相手に 得点を与えなかった。この日は前回までの登板に比べ、ストレートの制球が良く、高めのボールに勢い があり、要所でストレートで押し込むことが出来ていた。

 簡単に先制した学院だったがその後はチャンスを作るも、追加点を挙げることが出来ず、嫌な流れが 漂い始めた4回、学院は大きなチャンスを掴んだ。先頭の5番岡原(2年)が四球を選び、続く佐竹が左中間 へ二塁打を放ち、無死二、三塁とした。後続は三振に倒れたものの、一死二、三塁の場面で8番の 阿部(3年)が学院のお家芸であるセーフティースクイズを決め、学院は待望の追加点を挙げた。

 この追加点で楽に試合が展開していくと思われたが、2-0で迎えた5回裏、二死から四球と右安打で 二死一、二塁とされると、ここで長打を浴び、一気に同点に追いつかれてしまう。結果論ではあるが 今後の試合展開を考えると、二死からの2失点は非常に痛いものであった。佐竹の調子も良かっただけに もったいない失点となってしまった。

 しかし学院も直後の6回表にすぐさま攻勢に出る。内野安打で出塁した佐竹を、春季大会当たりがなかった 阿部が左中間を破る二塁打を放ち、ランナーが一気にホームに帰り、勝ち越しに成功する。 ところが、7回裏、先頭を安打で出すと、犠打野選も絡み、犠牲フライで再び同点とされる。この回は なんとか1失点で切り抜け、勝負は終盤にもつれる展開となった。

 学院は8回から、疲れが見え始めた佐竹に代え、友貞をマウンドに送る。友貞は8回、9回とピンチを 招くも気持ちのこもった投球で無失点と好リリーフを見せる。友貞の力投に応えたい打線だが、 尻上がりに調子を上げる相手投手を捉えられずに無得点と、勝負は延長戦に突入する。

 学院は10回表、先頭の2番八巻(2年)が中安打で出塁すると、犠打でランナーを二塁に進め、一死二塁の チャンスを掴んだ。しかし後続が倒れ、勝ち越しのチャンスをモノにできなかった。この試合を通じて、 チャンスで、簡単に凡退する場面が多くみられた。チャンスで打席に立つと力が入り、打ち気に はやる気持ちはよく分かるが、甘く入ってくる打つべきボールが来るまで際どいコースには手を出さずに 我慢する冷静さが必要であると感じた。

 そして、チャンスを逃した後の10回裏、先頭を四球で出し、犠打で一死二塁と攻められ、後続はなんとか 打ち取り二死まではこぎつけたものの、最後は左中間を破る打球を打たれ、万事休す。友貞の力投も 及ばず10回3-4のサヨナラ負けとなってしまった。

 敗因を挙げ出せばキリがないが、7回から10回まで無得点で終わってしまったのがチームにとっては 痛かったと思う。相手投手も終盤は疲れも溜まっていたはずだ。打てないボールに手を出して相手投手を 助ける淡白な攻撃を終盤に続けてしまったというのは、今後の練習試合などで意識的に変えていく必要が あると感じた。

 今回の春季大会では三回戦で敗退、シード権は獲得することが出来なかったが、特に二回戦、三回戦は 緊迫した展開だったので、チームにとっては貴重な経験になったはずである。この春季大会で得た自信、 経験を糧にし、自分たちのチームに足りない点、また長所を理解し、全国大会地区予選に向けて練習試合 には「勝ち」にこだわって臨んで欲しいと思う。最後の夏はすぐそこまでに迫っている。しかしまだやれる ことは山ほどある。このチームは秋季大会、春季大会と狙ったところまでは勝ち上がれなかったが、夏を 勝ち抜けるだけの力は持っていると、春季大会を見て私は確信した。

 夏に向かって頑張れ、学院野球部!!



2018.04.08
(文責:後藤大青 H29卒)